多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

中華風卵スイーツ「三不粘」

 誰がいつ「三不粘」を作り始めたのかはわからない。清の乾隆帝が南方を巡幸したとき、彰徳というところの知事が献上した料理に「三不粘」が入っていた。乾隆帝はそれを食べて大いに喜び、その作り方を記録させた。それ以降、「三不粘」は皇宮に伝わり、宮廷の有名料理になった。
 「三不粘」は卵黄とでんぷん、白砂糖に適量の水を加え均等に撹拌したものを炒めて作る。皿に粘つかず、歯に粘つかず、箸にも粘つかないので、「三不粘」の名がついた。色も美しく、口当たりも軟らかいので、絶品とされている。


材料(二人前):鶏卵の卵黄五個、白砂糖125グラム、水でんぷん30グラム、適量の豚油。
作り方:1.卵黄、白砂糖、水でんぷんに清水を35グラム加え、箸で均等にかき混ぜる。再度清水を125グラム加え、均等にかき混ぜる。
 2.強火で加熱した鍋に豚油を入れ、均等にかき混ぜた卵黄を注ぎ込む。杓子を用いて二分間ひっくり返しながら炒める。その後25グラムの豚油を、三回か四回に分けて杓子で鍋の中に注ぐ。
 3.ひっくり返しながら炒め続け、全体が黄金色になって油の跡が見えなくなったら、取り出して皿によそう。
特徴:柔らかくて油の潤いがあり、濃厚な甘みがあるが、しつこくはない。智を益し、食欲を増進させる効能がある。黄金色で、良質の甘みがある。

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