多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

漬物、周作人

 上海にいる同郷の友人牛さんから年末に手紙が来た。「新しく漬物を漬けて、漬け汁をご飯にかけたら、四歳の子供が喜んで食べた。とても美味しかったのだろう。干しエビをいくつか加えればもっと美味しかったのだろうが、高すぎて手が出ない。ホタテの貝柱はもっと高いので、なおさらだ」と書いてあった。

 私たちの家でも冬に漬物をつけて、夏に「臭漬物」を食べる。

臭という字を使っているがとてもいい香りで、そのままでも火を通しても美味しい。が、牛さんの手紙にあったように、先に蒸して、そこに干しエビを少し置いてみた。北京の白菜はもともと質が良く、田舎のものより美味しいと思う。干しエビはホタテの貝柱の四分の一の値段だ。漬物は、素晴らしい食べ物で、実際の用途は世間で言う「黴乾燥野菜」


より多い。ただ、漬物は米のご飯には向いているが、小麦粉食にはあまり合わないのが残念だ。酒席の料理には「乾燥野菜アヒル」


という料理はあるが、漬物は使わない。漬物は純粋な民間の産物で、贅沢品ではないのだろう。

 牛さんのお子さんが漬物の漬け汁の美味しさを証明してくれたので、さらに工夫を凝らしてみた。黄金色の生の漬物を細く切ったものをごま油であえるか、生姜の千切りを加える。そこに漬け汁を入れて、タケノコの切れ端を入れると、とても爽やかで美味しいご飯が食べられる。


台所に二十ガロンの水瓶を置く余地があれば、漬物をつけるべきだ。古人は冬を過ごすためだと書いているが、実は夏によく食べる。夏の日の晩御飯にぴったりだ。私は乾燥野菜はあまり好きではないが、暑い日に乾燥野菜に汁をかけたご飯は実によく合う。エビやタケノコのスープに劣らない。

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