多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

随園食単、調味料について知っておかなければならないこと、袁枚

コックの用いる調味料は、女性が着たりつけたりする服やアクセサリーに似ている。花のごとく美しく、化粧の上手な女性であっても、ぼろぼろぼ服を着ていたら、西施のような美人であったとしても美しく見えない。料理に精通する者は、酷暑の時期に製造したみそや醤油を用いる。

それも最初に甘美であるかどうか自分で確かめてからだ。油についてはごま油が必要だが、生なのか火を通したものなのか識別できなければならない。酒は発酵醸造したもので、しかも酒糟を取り除いたものでなければならない。酢は米酢で、濁ったものはだめだ。その上、醤油には薄口と濃い口の区別があり、油には動物性と植物性の違いがあり、酒にはすっぱいものと甘いものの区分があり、酢には古いものと新しいものの相違がある。使用の際に間違えてはだめだ。その他のネギやコショウ、ショウガやシナモン、砂糖や塩は多く使うわけではないが、できるだけいいものを選択しなければならない。

蘇州で売っている高級醤油には、上中下の三つがある。鎮江の酢は色はいいが、酸味が足りないので、酢の最も重要な要素が欠けている。

酢は板浦の酢が最もよく、浦口の酢がそれに次ぐ。

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