多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

風邪に効く「神仙粥」、食憲鴻秘

 最近涼しくなってきましたので、風邪に効果があると清時代の「食憲鴻秘」という料理書に記されている「神仙粥」をご紹介します。

もち米五十グラム、ショウガ五切れ、河川の水二碗を土鍋に入れて煮る。二回沸騰させてから、七個か八個のひげ付き白ネギを入れ、米がドロドロになるまで煮込む。それに杯半分の酢を入れ、熱いうちに食べる。米のスープだけでも、風邪を治療する効果がある。もち米は胃を丈夫にして気を補い、白ネギは発汗を促して寒を散らし、酢で解毒する。三者の共同作用で、素晴らしい治療効果を生み出す。
もち米はタンパク質、脂肪、糖類、カルシウム、リン、鉄などを含み、栄養が豊富だ。気を益して胃を養い、正を扶けて邪を除き、薬力を助ける効能がある。白ネギは温の性で、寒を散らして汗を促し、腫を消す効能がある。酢は温の性で解毒作用があり、風邪によるのどの痛みを緩和する。三者の作用が重なると、神のごとき効果が得られるので、「神仙粥」と名付ける。

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