多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

2022年2月のブログ記事

  • スープ調味料、周作人

     以前中国では交通が不便だったので、旅行には日にちがかかった。それゆえ旅の準備には手を尽くし、台所用品以外のほとんどの物品を持っていった。……  普通のインテリは旅行をするとき、上は皮の帽子を入れる箱から下は陶器製のしびんまで、 かなりのものを携帯した。その荷物にはかならず網の覆いのついた籠があり... 続きをみる

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  • タケノコ閑話、周作人

     新聞や雑誌で少数民族の生活に関する文を読んだが、とても面白かった。特に西南方面の集落に住む人たちは、西北部に住む人たちより興味深い。私は行ったことがないので実情はわからないが、集落の内外は竹が多く生えているはずで、南方に生まれ育った私は親近感をもつ。  子供の頃「黄岡竹楼記」を読んだ。文言は全然... 続きをみる

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  • 体にいい桑の実ペースト、食憲鴻秘

     桑の実の汁に白砂糖を混ぜ、濃い粥のようになるまで日光にさらす。それに適量の梅の果肉とシソの粉末を加え、つきつぶした後、型に入れる。できたものを油紙で包んで天日干しにし、紙ごと貯蔵する。色は黒いが甘酸っぱい味で、噛めば噛むほど味が出る。雨の日は潤いで光沢が増す。(訳者注:桑の実は「民間の聖なる果実... 続きをみる

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  • 体にいいクコの実ペースト、食憲鴻秘

    クコという植物があります。体にいいそうです。 そのペーストです。  多く採取した新鮮なクコの実のヘタを取り去り、きれいな布袋に入れて汁を搾り取る。その汁を土鍋でゆっくり煮て、ペースト状になったら、小さな杯に一杯の蒸留酒を垂らす。保存が効き、長期間置いても変質しない。クコの実はカロチンやカルシウム、... 続きをみる

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  • 童謡の中の食べ物、周作人

     田舎で墓参りをするときに、黄花麦果という食べ物を持っていく。 元は麦の粉を使っていたが、のちに米の粉を多く使うようになり、それにハハコグサを加えて、蒸して菓子にしたものだ。ハハコグサについては「本草綱目」に詳細な記載がある。二月に苗を出し、茎と葉は柔らかく、葉は三センチくらいになり、白いうぶ毛が... 続きをみる

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  • ヒユナの茎、周作人

     最近田舎の人がヒユナの茎の漬物を持ってきてくれたので、食べた。 ヒユナは私にとっては古くからの友人のようなものだ。南方の平民の生活においては、ヒユナはほとんど一日として欠かすことのできないものだ。最近は北平でも若くて柔らかいヒユナは食べられるようにはなったが、 北方にはあまりない。「斉民要術」の... 続きをみる

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  • 五月の青島、老舎

    https://r.binb.jp/epm/e1_227817_14022022023806/

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  • 中華豚肉古典料理

    https://minne.com/items/31240708

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  • ヒシの実、周作人

     毎日午前、門の外にヒシの実を売りにくる。子供たちが買ってくれとせがむので、十袋買ってやる。一人当たり十いくつのヒシの実だ。小さな四角ヒシの一種で、刺ヒシより少し大きく、青みがかった黒色。そんなに変わった形ではなく、味も二角ヒシと同じだ。1880年出版の「湖雅」の巻ニにヒシの実に関する記載があるが... 続きをみる

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  • ガチョウを飼う、周作人

     兄魯迅の「長明灯」という小説の中に、子供のなぞなぞについて書いた部分がある。そのなぞなぞは「白い舟に赤いオール、ゆらゆら揺れて対岸で休み、菓子を食べて歌を歌う、これは何だ?」というものだ。  その答えは、子供でも知っているが、「ガチョウ」だ。ガチョウの動きや姿をはっきりと描写している。ガチョウが... 続きをみる

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  • 紹興の餻干、周作人

     今年は兄魯迅の逝去二十周年記念の年だ。北京のある新聞社で編集をやっている友人が紹興に行って魯迅の旧居を見学し、紹興特産の「香餻」   を土産に持ってきてくれた。友人の好意にはもとより感じ入った。離れて久しい故郷の特産品は、旧きを思う気持ちを引き起こし、忘れかけていた故郷のことも思い出した。  正... 続きをみる

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  • 三度の食事、周作人

     私の故郷の田舎では、一日三度食事を作って食べていた。それだけ食べることに熱心だったと言える。食事のたびに食材を買って料理しなければならなかったので、朝食の時は早い時間に市場に行って買い物をする必要があった。市街地の朝市の慌ただしさは、他の土地ではめったに見られないほどだった。川一つ隔てた杭州では... 続きをみる

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  • 中国の喫茶店

    中国山東省の青島の喫茶店です。松尾芭蕉や安西水丸、又吉直樹の訳本が置いてあります。古典から現代まで、実用書から純文学まで、多くの日本語の作品が中国語に翻訳されています。

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  • 再掲載「食憲鴻秘」粉の章

    中国清時代の料理書「食憲鴻秘」に、身体にいい粉類の記載があります。

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