多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

潘魚と五柳魚、金受申

 北半截胡同の「広和居」は、百年以上続き、名士の集う場所だった。が、1931年の晩春に、私が数人の飲み友達と行くと、店は閉まっていた。「広和居」の盛んな時は、多くの名シェフが様々な「名人料理」を創作していた。「江豆腐」と「潘魚」が有名だ。

「潘魚」は潘という人が創作したものだ。鯉全体を二つに折り曲げて蒸してから、具のない澄んだスープの中に入れて加熱する。薬味は使わない。折り曲げた部分は密接に合わさっているように見えるが、肉はとても柔らかく、スープも美味だ。

 「五柳魚」は西湖の作り方をまねたものだ。

が、「広和居 」の得意料理でもあった。醤油で煮込んだ魚に、キノコの千切り、タケノコの千切り、火腿(中華ハム)の千切り、トウガラシの千切り、キシメジの千切りを加え、「五柳」と称している。火加減を間違えなければ、酒もご飯もよくすすむ。

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