多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

2021年12月のブログ記事

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  • 映画「こんにちは、私のお母さん」予告編

    中国で大ヒットしたコメディ映画が日本で公開されます。 【公式】映画『こんにちは、私のお母さん』予告編 2022年1月7日(金)公開。興収900億円を記録、中国全土が笑って泣いたパラレルワールド・コメディ!

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  • 千切り鶏肉の糟炒め、林文月

     紹興酒を醸造した後の余ったかすは、俗に香糟と呼ばれ、古書では糟粕とも呼ばれている。 濾過が済んだ酒は醸造する方にとっても飲む方にとっても欲望の対象だが、濾過した後に余った糟は余分なもの、はなはだしくは無価値なものとみなされている。……  実は、酒を醸造した後の余りと言っても、糟は貴いもので、次に... 続きをみる

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  • ありふれた茶の話、汪曾祺

     袁鷹編「清風集」に原稿を約束している。茶については私は素人だ。茶は飲む。それもこまめに飲む。一日に三回葉を換える。毎日朝起きると、まず湯を沸かし、茶を淹れる。茶葉は選ばない。青茶、 緑茶、花茶、 紅茶、沱茶、 ウーロン茶など、あるものを飲む。 茶葉は他人がよく送ってくれる。一筒分を飲めば、別の筒... 続きをみる

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  • ダイコン餻、林文月

     だんだん寒くなってきて、壁にかけているカレンダーが新年に変わった。新年一月の最後の一週間、日曜日を中心とした四日間に赤い印をつけている。喜びが湧いてくる。新暦を使い、西洋人の生活方式を真似て隔週で二日が休みになってはいるが、もし伝統的な祝日がカレンダーから消えてしまえば、生活は無味乾燥なものにな... 続きをみる

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  • ご飯とおかず、周作人

     銭塘江を隔てた杭州では、毎朝汁かけご飯 を食べるが、紹興の民衆はこの習慣を見下している。紹興の民衆は一日三回ご飯を煮て食べるからだ。余った冷たいご飯も汁かけにはせず、米と一緒に煮る。三度ご飯を煮るから、おかずを作るにも特別なやり方を使う。蒸すのを重視するのである。蒸籠で蒸すのとは異なり、ご飯鍋の... 続きをみる

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  • サンザシ、周作人

     冬になると、北京の街で糖葫藘を売っているのをよく見かける。甘酸っぱくて、年寄りも子供も好んで食べる。私の故郷の田舎では「糖山球」と呼ぶ。「山」は「サンザシ」の「サン」のことで、普段は「紅果」と言うが、北方では「山里紅」と言う。砂糖菓子の中に「炒め紅果」 という名のものがあるから、「紅果」と言う名... 続きをみる

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  • 炒り米と焦げくず、汪曾祺(1920-1997)

     子供の頃「板橋家書」を読んだら、「ものすごく寒い日の夕暮れ、貧乏な親戚と友人が家に来て、先に碗一杯の炒り米を渡し、次にショウガのみそ漬を一皿添えてくれた。貧しさを温める最上のものだ」と書いてあり、非常に親しみを感じた。鄭板橋は興化の人で、私の故郷は高郵だ。風習も似ている。こういう気持ちは他地方の... 続きをみる

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  • 軽食とご飯、周作人

     子供の頃はよくいろいろなものを間食して、大人たちに「軽食をご飯がわりに食べてはいけない」とたびたび叱られた。この言葉に含まれる真実をずっと私は信じてきた。軽食とご飯の違いもそういうものだと思ってきた。私たちの田舎の故郷では軽食は「乾燥した軽食」と「水分の多い軽食」に分けられていた。「乾燥した軽食... 続きをみる

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  • 瓜子(瓜類の種に塩などを加えて煎った食品)、周作人

     故郷の田舎では、新年の客が来たとき、煙草がなければ、緑茶やジュースの後に軽食類を出していた。瓜子とピーナッツ、年餻(中華もち) とちまきは必需品で、その他に揚げた元宵だんご、 小さな包子 花餃子 、シュウマイの類を出しておけば、客を十分に尊重したことになり、盛大な宴とされた。  ピーナッツは明の... 続きをみる

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  • ニワトリ、アヒル、ガチョウ(周作人)

    ……アヒルについては、確かに好きではない。醤アヒル と塩水アヒル は評価すべき点はあるが、糟鶏や油鶏 に勝るとは言えない。「便宜坊」に行って北京ダックを食べようと誘われても全て断るわけではないが、そんなに美味しいとは思わない。パリパリと焦げた皮を、ネギを加えた甘みのあるたれにつけても大した美味では... 続きをみる

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  • 茶を飲む、楊绛

    楊绛(1911-2016)は、「ドン・キホーテ」を中国語に訳した人です。

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  • 張抗抗、「烘豆茶について」

    中国の作家張抗抗さんのエッセイです。 https://r.binb.jp/epm/e1_217900_11122021232334/

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  • オオクログワイ、周作人

     オオクログワイは、英国ではwater chestnutsと呼ばれている。当然生で食べるのが一番いい。若くて柔らかい実の皮は赤みがかった黒色で、漆器の色にもその名が使われている。 食べてみるととても美味しい。甘くはないが、質朴で新鮮な味だ。田舎では煮て食べることもある。竹の葉やサトウキビの節と一緒... 続きをみる

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  • レンコンとハスの花、周作人

     山西から帰ってきた友人が、山西は水は少ないがレンコンは多く、レンコンを蓮菜と呼んでいると言っていた。植物の根の呼び名としてはふさわしいようにも見えるが、レンコンを野菜として扱っている。  実は、私はレンコンは九割がた果物として食べるべきだと思っている。一、田舎で生のレンコンを切って食べる。二、北... 続きをみる

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  • サトウキビについて、周作人

     サトウキビについては、笑い話が一つある。外国人はサトウキビが食べられない、つまりわからないということだ。聞くところによると、約二十年前、アメリカの男女の学生の団体が北京にやってきて、燕京大学を見学した際、学生会がパーティーに招待し、茶菓子に北方では手に入れるのが難しいサトウキビを皿に入れて出した... 続きをみる

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  • 体を暖め、風邪を予防する姜母茶(中国のサイト)

    材料:ナツメ、ネショウガ、赤砂糖 作り方:1.ネショウガ、ナツメ、赤砂糖を1:1:1の比率で用意し、ネショウガとナツメを細かく砕く。 2.鍋をきれいに洗って水をニ碗入れてから赤砂糖を入れ、煮る。 3.砕いたナツメとネショウガをその鍋に入れ、弱火でゆっくり煮る。 4.鍋の水分がなくなったら、取り出し... 続きをみる

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  • 砂糖と塩、周作人

     以前故郷にいた頃は、正月前に年越しの品を買っていたが、ほとんど南方の商品で、それを買い入れるのは子供の役目だった。去年の記録を元に増減するのだが、「台太」、「本間」、「台青」などの名前の砂糖があったことを覚えている。「台太」は細やかで白く、きれいな砂糖で、新年の客がちまき や中華もち を食べると... 続きをみる

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