多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、金華火腿(中華ハム)の作り方

金華火腿の見分け方

 銀のかんざしを火腿に突き刺して取り出す。かんざしの先からいい香りがすれば、正統な金華火腿だ。

作り方

 豚の腿肉五百グラム当たり、炒った塩を四十グラムか五十グラム用意する。手が直接肉に触れると変質してしまうので、手につぶしたワラジをかぶせる。そして炒った塩を肉の表面になすりつける。綿のように柔らかくなるまで、四回か五回これをやる。肉から珠のような塩水が滲み出てきたら、サンショウの粉をしつこくなすりつけ、甕に入れ竹で蓋をし、上に石を置いて圧力をかける。十日後に取り出して、稲藁の灰と肉を交互に積み重ねる。陰干しをした後、厨房の中の煙を出す場所の近くに吊るし、松の柴でいぶす。こうして作った火腿はとても美味しい。


 火腿は動悸や食欲不振によく、浙江金華と雲南宣威のものが最も有名で、上等とみなされている。

 伝えられるところによれば、金華火腿は南宋に始まった。発明者は、金という国と戦った時の英雄宗沢(1059-1128)だ。宗沢は現在の金華の人で、貯蔵可能な大量の豚肉を作って将兵をねぎらおうとした。腐敗防止と色や味を維持するため、苦労を厭わず人民と共に研究して、金華火腿を開発した。これはただの言い伝えだが、数百年間金華で火腿を生業とする店では宗沢の像を掲げ、宗沢を火腿の創始者として仰いできたのは事実だ。その後、金華火腿は献上品となり、現在まで八百年以上続いてきた。

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