多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

2019年12月のブログ記事

  • 蘇軾のグルメ詩

     赤壁の賦で有名な北宋の大詩人蘇軾のグルメ詩です。   野菜スープの歌  私は南山のふもとに居を定めた。服飾、飲食、器物、用具は家のものと同じ程度だ。貧乏なので山海の珍味は味わえず、カブラやナズナを食べている。それらを煮る時も酢と醤油は使わないので、自然の味だ。簡単に手に入るのでいつも味わっており... 続きをみる

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  • 杜甫のグルメ詩 

    「国破れて山河あり」で有名な杜甫のグルメ詩をいくつかご紹介します。       閔郷の姜七府鱠を設く、戯れに長歌を贈る  姜侯が厳冬に鱠をご馳走してくださった。昨日今日と寒風が吹いて黄河は凍っているので、魚を捕るのは簡単でない。漁師が川面に張った氷に穴を開けて魚を捕まえ、料理人に渡す。料理人は音も... 続きをみる

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  • 食憲鴻秘、梅のジャム

    梅のジャム  酷暑の時期に熟した梅の実を採取し、ついて潰す。水は使わず、塩も入れずに、七日間日光にさらす。さねと皮を取り去り、紫蘇を加えて、再び七日間日光にさらして貯蔵する。使用する際に塩もしくは砂糖を用いてもいい。暑い時期に日光にさらしても、梅は変質しない。 (塩辛い)梅のジャム  五百グラムの... 続きをみる

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  • 北京の伝統フナ料理(金受申)

    試しに作ってみられたら、どうでしょう?  金受申  「最もおいしいのはフナだ」と言われる。骨が多くて肉が細かなのがいい。フナは南方にも北方にもいる。鱗の黒白が異なるのと、北方では大きなフナが少ない。フナの高級品は「六合竜池フナ」、略して「竜フナ」と呼ばれ、一尾が一キロか二キロで天下第一の美味だ。調... 続きをみる

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  • 北京の伝統家庭料理、続き

    セリホンの炒め物  セリホンかカラシナの漬物にダイズもやしを加えて、羊肉ミートソースで炒めた料理は、とてもご飯が進む。 「雷震カラシナ」の煮込み  北京の伝統ある家庭では、春に必ずみそを作り、秋に必ず漬物を作る。金銭節約のためではなく、おいしいものが食べたいからだ。カラシナやセリホンを漬け、白菜を... 続きをみる

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  • 北京の伝統家庭料理(金受申)

    酔棗  冬に食べるもので、酒のつまみにもよく、酔い醒しにもよく、新年の祝いに食べてもいいのが「酔棗」だ。幼い頃、伯母の家の中庭にナツメの木が数本生えていて、毎年酔棗を作っていた。筆者が新年の祝いに行くと、必ず一皿ご馳走してくれた。伯母が亡くなってから十六年経っており、久しく味わっていない。まず、八... 続きをみる

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  • 臘八の粥、レシピいくつか

     臘八(旧暦十二月八日)に、様々なものを入れた臘八の粥を食べる習慣が中国にあります。 レシピ1.材料:もち米百五十グラム、リョクトウ二十五グラム、アズキ二十五グラム、カシューナッツ二十五グラム、ピーナッツ二十五グラム、リュウガン二十五グラム、ナツメ二十五グラム、チンピ(干したミカンの皮)一切れ 調... 続きをみる

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  • 食憲鴻秘、粥の章

    粥を煮る  粥を煮る時は、井戸水を使うといい味が出る。河川の水だと味が薄くなる。しかし、河川の水でも、数夜寝かせておいてから粥を煮れば、いい味の粥ができる。暴雨の直後の井戸水で粥を煮たら、薄い味になってしまう。 神仙の粥(風邪を治す)  もち米百グラム、ショウガ五切れ、河川の水二碗を土鍋に入れて、... 続きをみる

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  • 食憲鴻秘、粉の章

    うるち米の粉  うるち米を粉にひいたものを主要原料として蒸しパンが作れる。 もち米の粉  ひいて粉にし、ふるいでさらに細かな粉を手に入れる。これを主原料として、餅(「もち」ではなく、クレープ状の食べ物)が作れるし、揚げ物やスープにしてもいい。 レンコンの粉  一定の時間置いておいたレンコンを切って... 続きをみる

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  • 食憲鴻秘、体にいい飲み物やスープ

    白湯  朝起きた時、まず白湯を一杯飲むのはとてもいい。夜寝ている間に「火」の気が人体の上部にたまり、横隔膜が固まってしまう。白湯を飲んで横隔膜を広げると、気分が爽やかになる。塩や砂糖を少し入れておくのもいい。薬を飲む時も、まず白湯を一口か二口飲んでおくといい。 福建ミカンのスープ  福建ミカンを固... 続きをみる

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  • 食憲鴻秘ー続き2 

     新米で粥を煮るときは、薄すぎても濃すぎてもだめで、熱いうちに食べるのがいい。朝であれ晩であれ、おなかがすいたときに少しずつ食べるようにすると養生にいい。  食事の後はゆっくり散歩し、手で顔と腋、腹をマッサージし、頭を上に向けて四回か五回深呼吸をすれば、食物の中の健康に不利な物質を取り除くことがで... 続きをみる

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  • 要訳「食憲鴻秘」朱彝尊

    中国清時代の食養生の古典「食憲鴻秘」を紹介したいと思います。現代日本にそぐわない部分もありますが、今でも十分に通用する部分もあります。

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