多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

北京の伝統家庭料理(金受申)

酔棗

 冬に食べるもので、酒のつまみにもよく、酔い醒しにもよく、新年の祝いに食べてもいいのが「酔棗」だ。幼い頃、伯母の家の中庭にナツメの木が数本生えていて、毎年酔棗を作っていた。筆者が新年の祝いに行くと、必ず一皿ご馳走してくれた。伯母が亡くなってから十六年経っており、久しく味わっていない。まず、八月中に木に実った赤いナツメの実を取る。虫食いのないきれいなものを清水で洗って清潔な壺に入れ、そこにパイカル(コーリャンを原料とした醸造酒)を注いで、密封する。新年に取り出すと、まるで摘みたてのナツメのようで、酒の香りがかすかにし、美味で歯触りがいい。市販のものとは比べ物にならない。皮が嫌だったら、ナイフで剥けばいい。


千切りダイコンのスープ

 養分に富み、とてもおいしい。まず、ニンジンとダイコンを千切りにする。最初にニンジンの千切りを鍋に入れ、赤い汁が出るまで煎じる。その後軽く炒めた羊肉の千切りとダイコンの千切り(ニンジン9ダイコン1の割合)を鍋に入れる。小麦粉で作った魚の形の食品を入れ、ネギの千切りとコウサイ、コショウの粉と酢をさっと振りかけると、美味絶倫だ。


ダイズのもやしと白水の漬物を炒めたもの

 白菜はすでに南北朝時代にあったが、近代には北京の特産となった。北京の白菜は、江南地方ではフカヒレより高い。白菜は塩味でも甘みをつけてもよく、肉料理にも野菜料理にも使える。角切りにした白菜を軽く塩漬けにし、それにダイズのもやしと豚肉を加えて炒めれば、北京料理の佳品が出来上がる。


白菜の煮込み

 北京の白菜煮込みには二種類ある。羊肉と煮込むものはみそを加えるが、あまり美味しくない。豚肉と煮込むものはみそを加えないが、深い味わいだ。それに北京風焼豚、干しエビ、豚の肉団子を加えて、白菜がドロドロになるまで煮詰めると、乳のように肥えたスープができる。冬に食べると、実に美味しい。


カラスウリの角切り炒め

 夏をしのぐ素晴らしい食べ物だ。カラスウリと水カラシを角切りにして、水に浸した大豆を加え、豚肉を加えて炒める。リョクトウのスープとこれを一緒に食べると、暑さが消え、すぐに涼しさを感じる。


三菜炒め

 ニンジンとキンサイ、白菜を糸状に切り、羊肉のミートソースで炒める。深秋の美食だ。

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