「急ぎ」について知っておかなければならないこと、随園食単(袁枚
誰かを招待して一席設けるのなら、三日前にはきちんと約束をしておかなければならない。そうしてこそいろいろな用意や食材の購入に十分な時間があてられる。 突然やってきた客にすぐに食事の用意をしなければならないというのは、長旅を経て旅館に到着したばかりの客がドアの外で待っているのと同じようなも... 続きをみる
「急ぎ」について知っておかなければならないこと、随園食単(袁枚
誰かを招待して一席設けるのなら、三日前にはきちんと約束をしておかなければならない。そうしてこそいろいろな用意や食材の購入に十分な時間があてられる。 突然やってきた客にすぐに食事の用意をしなければならないというのは、長旅を経て旅館に到着したばかりの客がドアの外で待っているのと同じようなも... 続きをみる
斉甘さんが牛乳店で水烏他を食べた時に、「食べた途端にバターかと思った。どうして水烏他と呼ぶのかわからない」と言った。私は食べたことはないが、少し知っている。清時代の風俗を書いた敦崇著の「燕京歳時記」の「十月」という項目に「水烏他、嬭烏他」というのがあり、「水烏他は、加熱して固めた牛乳に砂糖を入れ... 続きをみる
ネギを切った包丁でタケノコを切ってはいけない。コショウをついた臼でオニバスの実の粉をついてはいけない。料理からふきんの匂いがすれば、きっとふきんは清潔ではない。料理からまな板の匂いがすれば、きっとまな板は清潔ではない。孔子も「工、その事を善くせんと欲すれば、必ずまずその器をするどくす」と言ってい... 続きをみる
中華世界きっての美食家が語る様々な料理 https://r.binb.jp/epm/e1_186706_23052021232911/
カニはブルジョア階級の食べ物かどうか?答えるのはとても難しい。正陽楼の勝芳大カニは 確かに高級役人か金持ちしか普段は食べられず、以前の教師だったら金を集めてたまに食べに行くくらいだった。しかし、清の光緒帝の時代、私は南京で勉強していたが、叔父と一緒に煮込んだカニを食べたことがある。そんなに昔の話... 続きをみる
今はカニの季節ではないが、この文は勤孟さんの文を見て、書いた。私はカニのマニアではないが、食べはする。特に変わった食べ方はしない。水煮したものの殻を剥き姜酢につける。自分で殻を剥かないとあまり面白くない。 私は面拖蟹(カニの体を真ん中で切り、上半分を小麦粉で調理し下半分を油で揚げる)という... 続きをみる
故郷に最も馴染みを感じるのは、他の場所よりいいところがあると思えるからだ。その一つが菓子だ。子供の頃最も馴染みがあった。当初はそんなに思わなかったが、北方に来て見なくなると、寂しさを免れ得ない。その後蘇州のある街で馴染みの菓子を売っている店を見かけ、喜びを禁じ得なかった。買って食べたわけではない... 続きをみる
中国人が食べる野菜の種類は、たぶん世界最多だろう。もとより歴史の長さがその原因の一つだが、古人が食べていた多くの植物、たとえばワラビや藻などは、現在の市場では見られない。そしてかつては見られなかったものが多く見られるようになった。中国の調理法の特殊さがその重要な原因だ。色々な植物の葉や茎を煮て碗... 続きをみる
子供の頃、よく露店で安い値段の豚の頭部の肉を買った。乾燥したハスの葉の上に薄く切ったものを並べ、塩をふりかけたものだった。それだけで食べても美味しかったが、クレープ状のものに巻いて食べると 実に素晴らしく、北方の豚足の醤油煮込み を上回るものだった。 浙江の人民は新年を祝うときに豚の頭を買って... 続きをみる
五味(苦い、酸っぱい、甘い、塩辛い、辛い)の中で必要ではないのは辛さだけだ。が、私はまさに辛いものが好きだ。生物の体内には本来塩辛さ、酸っぱさ、苦さ、甘さが備わっており、原料を吸収すれば自前で作れる。人類は文化的な習慣により、最も簡単な生活をしていても塩辛さが必要となるが、その他は省略できる。五... 続きをみる