多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

水烏他について、周作人


 斉甘さんが牛乳店で水烏他を食べた時に、「食べた途端にバターかと思った。どうして水烏他と呼ぶのかわからない」と言った。私は食べたことはないが、少し知っている。清時代の風俗を書いた敦崇著の「燕京歳時記」の「十月」という項目に「水烏他、嬭烏他」というのがあり、「水烏他は、加熱して固めた牛乳に砂糖を入れて作る。非常に寒い時の夜に作ると、霜のように白く、口に入れると雪を噛むがごとくで、まさに北方の美味だ。嬭烏他もだいたい同じだが、味は少し劣る」と書いてある。烏他は満洲語で、「満和辞典」によれば、クコの汁に牛乳と白砂糖を混ぜてチーズのように凝固させた軽食の一種だ。それゆえにバターに似ているのだろう。現在の北京でもクコを使っているかはわからない。

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