多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

2021年4月のブログ記事

  • ユウガオのスープ、周作人

    爽   夏にユウガオのスープ、爽やかで美味しい。 。私たちの故郷では、長い形の瓜 をユウガオと呼び、蒲子という俗名もあった。「トウガンを噛まないのなら蒲子を噛む」という言葉もあり、円筒形で果肉も食べられ、北方では硬くなるとのこぎりで皮を切り取ってひしゃくにしたが、私たちの故郷ではそれは見たことがな... 続きをみる

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  • 食べられる花、周作人

     上海の友人が特産物の展覧会を見たが、「食指が大いに動いた」そうだ。それも道理で、新聞でその記事を読んだだけの私でさえ、そういう思いを持った。とくに果物や野菜の 展示目録を見たときはそうだった。ミカン、ザボン、ライチ、ヤマモモ、莱陽ナシ、水蜜桃、ハクサイ、ネギ、ショウガ、エダマメ、タケノコ、ザーサ... 続きをみる

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  • もち米食、周作人

     近年北京で糍粑(蒸したもち米から作った食品)  が買えるようになり、とてもうれしい。私はもち米食が好きだから。私の故郷には糍粑はないが、麻糍 という名の似た食品がある。糍粑という名は主に四川でよく使われているようだが、実際はもち米で作った年餻だ。私の故郷の年餻ももち米を使うが、うるち米が主材料で... 続きをみる

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  • サチマ、周作人

      冬になると、北京の市場にサチマ と 芙蓉餻が出まわる。 「燕京歳時記」によれば、サチマは満州の菓子で、氷砂糖とクリームを小麦粉に混ぜて作り、もち米のような形で、あぶって方形に切り分ける。甘い味だ。芙蓉餻もサチマと同じようなものだが、表面を赤い色で飾っているので、芙蓉のようにあでやかだ。現在は、... 続きをみる

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  • 乳腐を語る、周作人

     かつて私は「華僑と紹興人」という文で、紹興人はどこにでもいると書いた。「越諺」の「スズメと豆腐と紹興人はどこにでもいる」と「長江に六月はない」がその証左だ。旧暦六月という一番暑いときでも家で涼まず、遠くに行くということだ。紹興人は酒を造って天下に売り歩く、というのがその第一の理由だろう。酒の他に... 続きをみる

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  • レンコンの食べ方、周作人

     「冬にレンコンを食べる」という題で、玄武湖のハスに関する文章が新聞に出ていた。「レンコンは肉団子 に使ったり、千切りを炒めたり、 切ったものを粥に入れたりする」と書いてあった。  レンコンは、確かに果物としては特別なものだ。が、たとえ新鮮で柔らかなものであっても、果物として食べるのは私はあまり好... 続きをみる

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  • 窝窝头の歴史、周作人

     北方の雑穀はトウモロコシが中心だ。トウモロコシ粉のことを棒子面とも雑和面とも呼ぶ。トウモロコシのことを俗に棒子とも言うので、その名がついた。南方の人はわからず、誤解してしまうこともある。トウモロコシ粉三ダイズ粉七の割合で混ぜると、とても美味しい窝窝头ができる。低級などとは言えない。が、窝窝头は一... 続きをみる

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  • 食憲鴻秘、宣伝動画

    興味のある方はご覧ください。 食憲鴻秘(朱彝尊)、中国清時代レシピ集

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  • ガチョウの肉を食べる、周作人

     公白さんの「糟高頭」という文を読んだら、故郷への懐かしみが湧いてきた。私はガチョウの肉が好きだからだ。糟ガチョウ であろうと、燻ガチョウ であろうと、 紹興風蒸しガチョウであろうと、 北京では食べられない。 田舎ではガチョウの肉はキメが粗いので、そんなにいいものとはされていない。新年の客や祝日の... 続きをみる

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  • 六穀粥、周作人

     柳絮さんがトウモロコシは六穀の一つであり、第六の穀物だと言っていたのは、だいたい正しい。 中国では昔から五穀を重んじるが、何が五穀かは、以前から議論があった。今だったら、たぶんモチキビ、キビ、 イネ、 アワ、 コウリャン、 ムギになるだろう。これらの中で常食するのはイネとムギだけで、アワ、キビ、... 続きをみる

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  • サンザシと紅果、周作人

     江幼農さんがサンザシについて書いた文を読んで、食べたくなった。わたしは甘酸っぱいものが好きだからだ。が、読み終わって、少し失望した。北京のフルーツ店で必ず売っている炒り紅果について書いていなかったからだ。 わたしは田舎にいたとき、サンザシ餻 を食べたことがあるし、糖山球とも呼ばれる氷糖葫蘆も食べ... 続きをみる

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  • 舌で味わう中国、四川

    四川は麻婆豆腐で有名です。 豆瓣高分80年代日本版《舌尖上的中国》四川 「舌で味わう中国」

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  • 舌で味わう中国、広東編

    スイーツが美味しそうです 豆瓣高分80年代日本版《舌尖上的中国》广东 「舌で味わう中国」

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  • 舌で味わう中国(北京編)

    熊の手のひらやツバメの巣に関する動画もあります。 豆瓣高分80年代日本版《舌尖上的中国》北京 「舌で味わう中国」

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  • 魚の塩漬と干し豚肉、周作人

     魚の塩漬け と干し豚肉 はとても美味しく、特に私たちのような田舎者にとってはとても貴重なものだ。私たちの田舎にも貴重な食物はあるが、醤アヒル や 糟ガチョウ のような自家製品が大部分で、物資があまり欠乏していない時代においては、野菜の漬物とあまり変わらない。家禽類と白菜は自分の家で備えておくこと... 続きをみる

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  • 「食憲鴻秘」電子書籍出版のお知らせ

    食憲鴻秘(朱彝尊)、中国清時代レシピ集 Digital Ebook Purchas このブログに掲載した「食憲鴻秘」に関する記事を、電子書籍にまとめて出版いたしました。ご興味のある方は、よろしくお願いいたします。    多田敏宏

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  • 桃、周作人

      桃が嫌いな人はいないだろう。「詩経」の「桃の夭夭たる」という詩句は、のちに「逃亡」という意味で使われるようになった。本来「詩経」には「桃の夭夭たる、灼灼たりその華」、「蕡たる有りその実」、「その葉蓁蓁たり」とあり、花、実、葉のすべてに言及している。後になって桃の果実に重きが置かれるようになった... 続きをみる

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  • 舌で味わう中国、

    かなり前のものですが、面白いです。 豆瓣高分80年代日本版《舌尖上的中国》江南 「舌で味わう中国」

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  • 中国人、食を語る

    中国人、「食」を語る 近代文芸社 本 興味のある方は、どうぞ。

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  • 随園食単、うまくいかなかったときについてしっておかなければならないこと、袁枚

    調理がうまくいかなかったときにどうカバーすればいいか?   名コックが作るとろみスープは、塩加減も粘り具合も適切で、カバーする必要などない。やむを得ない事情で、下手なコックが味付けをする場合はどうすればいいか?薄味になるのはまだしも、塩辛くなってはいけない。味が薄いのは塩を加えればカバーできるが、... 続きをみる

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  • 食用粉について、李漁

    清時代の文人李漁が粉類について語っています。    粉の種類はとても多いが、よく使われ、また使うに適しているのは、レンコン粉、 葛粉、 ワラビ粉、 緑豆粉 の四種だ。レンコン粉と葛粉は、鍋を使う必要はなく、熱湯でこねるだけで食べられる。古人は「慌ただしい客はあっても、慌ただしい主人はいない」と言っ... 続きをみる

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  • 中国の頭髪菜

     中国に頭髪菜という変わった野菜があります。美味しくて栄養があるそうです。清時代の文人李漁が書いています。  野菜には変わった形状のものもある。「本草」にも「食物誌」にも記載されていないが、陝西西部で産する頭髪菜がそうだ。陝西西部のある役人の家に招待されたことがある。ある日車に乗って出発するときに... 続きをみる

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  • 時節について知っておかなければならないこと、随園食単(袁枚)

      夏は昼の時間が長くて暑いので、家畜や家禽を殺す時間が早すぎると肉が腐って変質してしまう。冬は昼の時間が短くて寒いので、食事を作る時間が少しでも長引くと料理が冷めてしまう。牛肉と羊肉は冬に食べるのがいい。夏に食べるのは時宜が適切ではない。乾燥食品や燻製食品は夏に食べるのがいい。冬に食べるのは時宜... 続きをみる

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  • 雲南のスイーツ、続編

    1.トウガンの砂糖漬  トウガンの砂糖漬は、雲南玉渓の著名な菓子のひとつだ。清涼な甘みがあり、透明感があってサクサクしている。玉渓では、明代の後期に始まり、四百年以上の歴史がある。1912年に玉渓の鳳香斎という菓子屋の唐家栄という職人が「水蜜砂糖漬」を創作してから、玉渓のトウガンの砂糖漬は有名にな... 続きをみる

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  • 雲南のスイーツ、中国のサイト

    1.蒙自年餻  清時代の康熙年間、蒙自年餻は当地のもち米を水を混ぜてうすでひき、粉にした後、当地の赤砂糖、ごまなどを混ぜ、湯葉を敷いた碗に置いて、蒸して作った。民国の時代には蒙自年餻の外形は赤い小さな碗のようで、よくできたものに光を当てると、中のバラの花びらが透けて見えた。現在では蒙自年餻は、白砂... 続きをみる

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  • 焼餅と油条、梁実秋

     焼餅と油条は、我々中国人の標準的な朝食だ。 北方のどの省であろうと、どんな階級の人であろうと、老人であろうと子供であろうと、たいていの人は喜んで食べる。私は北平で生まれ育ったが、子供の頃の朝食といえば、ほとんどずっと焼餅と油条だった。かなり豊かな大家庭では、ワンタンや鶏肉の千切り麺 羊肉入り団子... 続きをみる

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