多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

雲南のスイーツ、続編

1.トウガンの砂糖漬

 トウガンの砂糖漬は、雲南玉渓の著名な菓子のひとつだ。清涼な甘みがあり、透明感があってサクサクしている。玉渓では、明代の後期に始まり、四百年以上の歴史がある。1912年に玉渓の鳳香斎という菓子屋の唐家栄という職人が「水蜜砂糖漬」を創作してから、玉渓のトウガンの砂糖漬は有名になり、内外で売れるようになった。白砂糖を使って加工したものは、水晶のようにキラキラ輝き、口に入れるとすぐにとけて、爽やかな甘みが広がる。赤砂糖を使って加工したものは、透き通った琥珀色で、柔らかくてサクサク、清涼な甘みがある。肝を養って肺を潤し、痰を溶かして暑さを解く効能がある。


2.泡魯達

 ミャンマーやタイの著名なスイーツだ。最初はミャンマーやタイなどの東南アジアで流行していたが、徐々に雲南の徳宏や景洪に伝わった。甘みの中にヤシの香りがする。タピオカや黒米、パパイヤやミャンマー練乳、特製クリームパン、新鮮なヤシの果肉の千切りに氷を加えて作り、甘い香りが鼻を打ち、爽やかな気分になる。


3.四両坨(雲南式火腿の菓子)

 明の末期、昆明に隠居した永歴皇帝は、終日憂いに沈み、飲食が進まなかった。あるコックが新規軸を打ち出して、雲南の火腿(中華ハム)を細切れにしてハチミツや砂糖と混ぜたものを餡にして小麦粉で包んだものを蒸し、「雲腿団子」と言って皇帝に出した。濃厚な味と香り、甘みと塩辛さも適度だったので、皇帝は喜んで食べた。その後この団子の作り方が民間に伝わり、蒸すのをやめてあぶるようになった。清時代の光緒年間、昆明の「合香楼」という菓子屋が「四両坨」の名で売り出した。それ以降、中秋節のたびに、昆明の人たちは争って「四両坨」を買うようになった。


4.鮮花餅

 「四月はバラの花でバラ餅を作り、それからフジの花でフジ餅を作る。それが季節の食べ物だ」と雲南では伝えられている。鮮花餅は、雲南特有の食用のバラの花を餡にしたもので、雲南の特色ある菓子のひとつだ。三百年以上前の清時代に遡る。わずかに開きかけたバラの花びらを使って餡を作り、それに小麦粉やごま油、白砂糖やハチミツを加えてあぶる。炉から出したばかりのものはサクサクして爽やかで、濃厚な花の香りが心に沁みる。宮廷の菓子ともなり、乾隆皇帝に愛された。

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