多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

時節について知っておかなければならないこと、随園食単(袁枚)

  夏は昼の時間が長くて暑いので、家畜や家禽を殺す時間が早すぎると肉が腐って変質してしまう。冬は昼の時間が短くて寒いので、食事を作る時間が少しでも長引くと料理が冷めてしまう。牛肉と羊肉は冬に食べるのがいい。夏に食べるのは時宜が適切ではない。乾燥食品や燻製食品は夏に食べるのがいい。冬に食べるのは時宜が適切ではない。調味料は、夏はからし粉を用いるべきで、冬はコショウを用いるべきだ。冬に漬け物は値打ちがないが、酷暑の時期に食べれば宝物だ。タケノコはもともとは値打ちのないものだが、秋の涼しい時節には貴重で素晴らしい食べ物とみなされる 。旬の季節より早く食べて美味しいケースもある。三月に食べるヒラコノシロがそうだ。旬の季節より遅く食べて美味しいケースもある。四月に食べるサトイモがそうだ。旬の季節を過ぎれば食べないのが一番いいものもある。ダイコンは旬を過ぎるとスカスカになるし、タケノコは旬を過ぎると苦くなる。フナは旬を過ぎると骨が硬くなる。物品は一年の四季の変化に応じて売りに出さないといけないということだ。旬を過ぎると、精髄が尽き、輝きを失ってしまう。

×

非ログインユーザーとして返信する