多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

槐葉の冷淘、杜甫

約千二百年前の唐時代に「槐葉の冷淘」という暑気を取る食品がありました。エンジュという木の葉を小麦粉と混ぜ、麺にして冷やして食べるというものです。試してみるのもいいかもしれません。杜甫が詩に書いています。
   槐葉の冷淘 杜甫
 青々と高く茂ったエンジュの葉を摘み、厨房に持っていく。その汁と滓をできたての小麦粉に混ぜる。それを鼎に入れて適度に加熱。雪よりも冷たく感じるような舌触りで、他人にあげるのはもったいない。
 金色に飾った駿馬で、天子様の美しい御殿にお届けしたい。芹や藻を献じる誠意そのものは小さいが、気持ちは必ず伝わる。天子様の御殿には、氷を開いたような玉の壺が清らかに並んでいる。そういう場所で天子様が涼まれる際には、この冷淘も時には必要だ。

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