多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

2020年10月のブログ記事

  • 冬の女性の体にいい食べ物(美麗講堂)

     冬は養生が大切だ。女性にとっては、どの季節であれ、陰に滋養を与え渇きを潤すことが養生のポイントだ。特に冬季は気候が相対的に乾燥するので、以下の食物を多めに摂取することは、体の健康と若さを保つのに有用だ。 1.ハスの実 ハスの実は五臓の不足を補い、十二の経脈における気血の流れを促す作用がある。冬季... 続きをみる

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  • スープ入り饅頭、梁実秋

     玉華台というレストランは、堂子胡同の楊家のコックだった人が始めたもので、美味しい料理が多い。中でもスープ入り饅頭は絶品だ。  饅頭ならどこにでもある。が、それぞれ風味が違う。上海の瀋大成、北万馨、五芳斎の出すスープ入り饅頭は忘れがたいものの一つだ。 一つが口に入るほどの大きさだが、美しい形で、小... 続きをみる

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  • 焦げ飯、梁実秋

     抗日戦争の時、後方のレストランで「東京爆撃」という名の料理があったが、実はムキエビと焦げ飯のスープだった。給仕が小さな碗に入れたムキエビを煮込んだスープを片手に持ち、もう一方の手に大きな碗に入れた油で揚げた焦げ飯 を持ってくる。焦げ飯をテーブルに置いた直後にムキエビのスープをかけると、ズーという... 続きをみる

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  • ダイコンスープの啓示、梁実秋

     抗日戦争の時初めて重慶に行き、上清寺にある友人の家に泊まった。夕食は、主人がスペアリブとダイコンのスープでもてなしてくれたが、謙遜して「このスープはあまり美味しくありません。私の友人の楊夫人が作るスペアリブとダイコンのスープこそ絶品です。真似をしようとしてもかないません。一度お食べになったらわか... 続きをみる

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  • ホウレンソウ、梁実秋

     私たちがいつも食べるホウレンソウは、唐の太宗のときに西域から入ってきたものだ。おいしいだけではなく、鉄分を含んでいる。  数年前、テレビで漫画の「ポパイ」を見たが、ホウレンソウを秘密兵器として携帯していた。ホウレンソウを飲み込んだとたんに細い腕が筋肉隆々となり、相手をなぎ倒す。どうしてホウレンソ... 続きをみる

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  • 体を暖めるスープ、悦家工坊

    南方であろうと北方であろうと冬は寒くなり、みんな服を着てしのぐ。それも重要だが、体の内部から暖めるとより効果がある。食物によって体に熱量を供給するのである。冬に何を食べれば、体の中に小さなストーブができ、病を防げるのか? 1.白胡椒と豚の胃のスープ 材料:白胡椒十五グラム、豚の胃一個、食塩、料理用... 続きをみる

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  • 秋冬の漢方養生法、恵好大薬房

     秋と冬は人の抵抗力が最も落ちる季節だ。養生の仕方を学んで、病気を減らそう。 1.陰を養うため、多めに水分を取る  乾燥している秋と冬は、毎日皮膚から六百ミリリットルの水分が蒸発するので、補う必要がある。成人は毎日最低1.5リットルの水分補給が必要だが、秋は2リットル取らないと肺や気管の潤いを保て... 続きをみる

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  • ササゲ、汪曽祺

     子供の頃はササゲが一番嫌いだった。皮が二重で味が薄かったからだ。北京に来て年を重ねると、ササゲも美味しいと思うようになった。人の味の好みは変わるものだ。たとえば、小さい頃は、豚の肺はふわふわしてかみ心地が悪いと感じたので、食べなかった。年をとってから、老人の歯にぴったりで、美味しいと思うようにな... 続きをみる

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  • 桃汁蛇肉の作り方(中国:毒蛇ネット)

     桃汁蛇肉は、私たちが普段食べる果物の桃と蛇を結びつけた料理だ。桃は甘酸っぱくて、性は温、体液の分泌を促して腸を潤し、血を活性化して、肌を美しくする。桃は体を強くし、肌をきれいにして、痩せと乾燥肌、生理不順、咳、高血圧などに効果がある。蛇肉は体に滋養をつけるよき食品で、免疫力を高め、各種の風湿病に... 続きをみる

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  • 白肉(水炊きした豚肉)、梁実秋

     白肉、白煮肉、白切肉、名前は違うが、みな水炊きした豚肉のことだ。誰でも水炊きくらいできる。が、味や様相はそれがれ異なる。各地のレストランで白切肉を出し、各地の家庭で作っているが、それぞれ違う。  北平の白切肉といえば、まず砂鍋居が思い浮かぶ。 砂鍋居は俗名で、正式名称は居順和、西単の牌楼の北側に... 続きをみる

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  • 冬に食べるといい粥(健康飲食ネット)

     粥療法は中国で悠久の歴史があり、民間でも広く応用されている。冬は天寒く地が凍る。漢方医学では、寒の気が盛んになると人の陽の気を傷つけると考えている。老年の人は陽の気が足りないので、寒さに耐えられない。民間でよく用いられている寒さを防ぐ粥を紹介する。 1.羊肉の粥  脂身のない羊肉二百五十グラムを... 続きをみる

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  • 寒い時に飲む茶(快問新聞部)

     一年四季を通して、私たちは毎日身辺の人に水を飲むように言っている。風邪で熱が出れば白湯を飲むし、女性は生理期は多めに水を飲まねばならない。水を飲むのは私たちの日常の習慣になっている。わが国には古くから茶を飲む習慣があり、健康と養生にいい茶もいくつかある。それでは、寒いときにはどんな茶を飲めばいい... 続きをみる

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  • 冬に食べるといい料理(各地美食)

     冬は寒く、陰が盛んとなり陽が衰える。そのため人体の生理機能が落ちるので、栄養を取らねばならない。「冬に栄養をつけて春にトラを退治する」という言葉もある。暖かさを保つことはとても重要だが、合理的な食事も大事だ。 1.卵とミンチの蒸し物  材料:ヒレ肉、シイタケ、鶏卵  作り方:1.ヒレ肉を洗ってミ... 続きをみる

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  • 蟹粉湯包、唐魯孫

     北方人の食べる包子 では、天津の狗不理 が素晴らしい。餡が大きくて皮が薄く、油も十分だ。これと比肩できるのは上海五芳斎の小湯包 、南翔饅首 、淮城湯包 くらいだ。  北平の玉華台が錫拉胡同に店を開いた。 友人の画家陳半丁、名医の江逢春は久しく北平にいる蘇州人だ。彼らが「玉華台の作る淮城湯包は淮城... 続きをみる

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  • 太陽餻、唐魯孫

     二日前、数人の北京の友人と飲んでいたところ、そのなかの一人に「太陽餻を食べたことがありますか?どんな由来のものですか?」と尋ねられた。私は答えた。「北京にだけあるもので、旧暦二月一日に売っています。白米をうすでひいて粉にし、それを木の型に入れ、模様をつけてクレープ状に固めます。五枚それを重ねて、... 続きをみる

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  • ツバメの巣(随園食単:清時代の料理書)

     ツバメの巣は貴重なものなので、軽々しく使用すべきではない。もし使用するなら、まず、百グラムの加熱した泉水に浸して、銀の針で黒い糸を取らなければならない。その後、若鶏のスープ、火腿(中華ハム)のスープ、新鮮なキノコのスープでゆでて、ツバメの巣が玉の色になったら、できあがりだ。 あっさりしたものなの... 続きをみる

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  • 西施の舌、梁実秋

       郁達夫が1936年「福州における飲食と男女」という文で、西施の舌(西施は中国四大美女の一人)について書いている。  :「閩小記」に書かれている西施の舌がカラスガイの肉を指すかは知らない。が、カラスガイの肉は色が白くて肥えており、さくさくとした味でニワトリのスープで煮るのが適している。楕円形の... 続きをみる

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  • ワンタン、梁実秋

     ワンタンの歴史は悠久で、南にも北にもある。子供の頃、午後になると「ワンタン鍋が煮えたよ!」と叫びながら、行商人が路地に売りにきた。その天秤棒の上のワンタンは独特の風味があって、美味しく、値段も安かった。骨のスープで長時間煮たもので、濃い味だった。ワンタンの皮は薄く、肉はわずかだった。が、具材は少... 続きをみる

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  • フカフレ、梁実秋

     フカヒレは酒席の重要料理だ。醤油で煮込んだもの もあれば、吸い物 もあり、蒸したもの もある。平たい大皿にのっているものは、一度箸をつけるとほとんどなくなる。   フカヒレとはサメのヒレで、背びれ、胸びれ、腹びれ、尾びれがある。外国人が捨ててしまうものを我々が高級食材にしているので、笑い話になっ... 続きをみる

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  • 八宝飯、梁実秋

     宴席の終わりに出る八宝飯というスイーツは、広く歓迎されており、標準以下のものはあまり見ない。実は作り方は簡単で、秘訣はひとつだけ、元手を惜しまないことだ。  八宝飯の主役はもち米だ。柔らかければ柔らかいほどいいが、蒸して柔らかくするのは容易ではない。それゆえ、事前に煮て八分目まで柔らかくしておく... 続きをみる

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  • カニ、梁実秋

     カニは美味だ。南北、雅俗を問わず、人々に愛される。当然、私が言っているのは河カニで、海カニではない。台湾からわざわざ飛行機に乗って香港まで食べに行く人もいる。だいぶ前、友人が香港からカニを一かご持って帰り、私に二匹分けてくれたが、とても美味しかった。秋のさわやかな頃、大陸のいかなる河や湖、渓流で... 続きをみる

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  • 火腿(中華ハム)、梁実秋

     以前は北方人は火腿の食べ方を知らず、脂っこくて嫌だと言っていた。調理の仕方が下手だったのかもしれない。火腿を見ると恐怖を感じる北方人もいて、清醤肉 の方を好んできた。のちになって、多くの北方人も火腿を味わうようになったが、火腿は結局は南方の物で、北方ではあまりはやらない。いくつかの北方のレストラ... 続きをみる

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  • ハト、梁実秋

     明時代の書物に「顔清甫という人が病に伏したところ、その子供がドバトを弓で射落として食べさせた」と書いてある、ハトを弓で射落とすことは北方ではよくある。食べるのだ。顔家の子供が射落としたのは伝書バトだったので、後でお父さんが謝りに行った。  私が子供の頃、石弓でカラスを射落とそうとした人がいた。カ... 続きをみる

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  • アヒルの水かき、梁実秋

     ニワトリの足、 アヒルの水かき、 ガチョウの足、 みんな食べられる。  「呂氏春秋」に「斉王がニワトリの足を好んで食べた」と記載されている。ニワトリの足と言っても実際は皮を食べるようなものだが、好きな人もいる。広東のレストランでは「鳳爪」という美しい名で呼ばれ、煮たスープは美味だ。冬シイタケと「... 続きをみる

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  • 餃子、梁実秋

     「餃子よりおいしいものはない。横たわっているより気持ちのいいことはない」これは中国北方の田舎に伝わることわざだ。北平の市街地の人はこうは言わない。かつて北平の人は餃子を「煮饽饽」と言っていたからだ。満州語かもしれない。私は十四歳になってやっと「饽饽」が餃子のことだと知った。  北方の人は、貴賤を... 続きをみる

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  • 仏跳牆,梁実秋

     仏跳牆という名はとても奇怪だ。仏様が塀を飛び越えてまで味わいにくるとは、どんな料理なのか?台湾に来る前は、聞いたことがなかった。  「読者文摘」(1983年7月)が「仏跳牆」という短文を載せていた。「とても罪作りな料理で、魚や肉を使っている。豚足や鶏肉、ナマコ、ひづめなどを同じ鍋でじっくり煮込ん... 続きをみる

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  • 濃厚な香り、菊花鍋、唐魯孫

      一昨日、花市場で本物の白菊の花を二鉢見た。普通の白菊の花は花弁がカニの爪のような形で花芯が緑がかっており、渋みを帯びた苦い香りだ。本物の白菊は、花弁が開き、花弁も花芯も一律に純白だ。かつて袁寒雲が詳細に書いており、菊花鍋には本物の白菊の花を選ぶのがいい選択だと述べている。  かつて劉喜奎という... 続きをみる

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  • (精気を益し、耳目を聡くする)オニバスの実、唐魯孫

       北平市内には池が少なく、市の南の金魚池、北の積水潭ではヒシやハス、オニバスは植えていない。什刹海と筒子河、西郊の海淀でだけ植えており、緑と紫が鮮やかだ。聞くところによれば、河に入って採取するのは夜明け前でなければならない。一夜を隔てるとオニバスの実の色が変わり、渋みが増してしまうそうだ。それ... 続きをみる

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  • ナマコ、梁実秋

     ナマコはそんなに珍しいものでははない。ただし、乾燥ナマコは調理の前に戻さないといけない。それには時間もかかり、簡単ではない(最近は簡単なものも売っているようだ)。それゆえ、以前は家庭料理ではナマコは使わず、レストランや料亭だけだった。  外国人はナマコを食べないと、かつて私は思っていた。我々がナ... 続きをみる

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  • 黄河コイの「三喫」、唐魯孫

     現在、台湾北方のレストランでは一匹の魚を幾通りかの方法で食べることがはやっている。実際は一キロ以下の魚だと、頭と尾を取ってしまえば、食べられるところはたいして残らない。中国大陸にいた頃は、毎年活きたコイで儀式を行い、そのあと放していた。清時代の有名人は、コイが龍門を登るという言い伝えを気にして、... 続きをみる

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  • アワビ、梁実秋

     アワビは殻のある軟体動物で、海水中の礁石にへばりつき、藻類を食している。殻の外ヘリに呼吸用の孔が並んでいる。私たちの土地で「九孔」と呼ぶものは、アワビの一種だ。  アワビの美味を褒めない人はいない。新鮮な「九孔」はどこの海鮮店でも売っており、独特の美味だ。が、日干しにした広東のアワビ や缶詰のア... 続きをみる

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  • 柿子糊塌(柿ペーストの揚げ物)、賈平凹

    そろそろ柿の季節です。かつての唐の都長安があった陝西省に伝わる柿の調理法を、陝西省の作家が紹介しています。   柿子糊塌,贾平凹  臨潼には火晶柿がある。火のように赤く、水晶のように輝き、果肉は細密で、硬い芯もない。当然食べたいのだが、季節に限りがあり、持ち運びも不便なので、柿子糊塌という調理法が... 続きをみる

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  • 東北の風味、端木蕻良

    豚足の醤油煮  子供の頃食べたおいしいものは、今でも覚えている。この豚足の醤油煮は作り方がユニークで、コストも高かったかもしれない。手間暇をかけ、時節も適切だったので、どこにでもあるというものではなかった。幼い頃母が作るのを見たことがあるが、深く印象に残っている。  清の末から民国の初めにかけては... 続きをみる

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  • 蘇北の獅子頭、張振楣

     蘇北の料理は何度も食べた。とてもさわやかな味だ。見た目は少し田舎くさいが、核心部分はなかなかのものだ。淮安のタウナギ料理、揚州の干絲、東台の魚湯麺は有名な料理なので、他所に比肩できるものはない。以前、周恩来総理が北京飯店に外国の賓客を招かれた時、揚州獅子頭が出た。宴会が終わると、周総理はコックに... 続きをみる

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  • 酸梅湯と糖葫藘、梁実秋

     夏に酸梅湯 を飲み、冬に糖葫藘を 食べるのは、北平において各階級の人々が享受できる楽しみだ。が、いいものと悪いものがある。琉璃厰の信遠斎の酸梅湯と糖葫藘は、特別に素晴らしい。他の店や街頭で売っているものとは全く違う。 徐凌霄は「旧都百話」の中で酸梅湯について次のように書いている。「暑い日の氷とい... 続きをみる

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