アヒルの水かき、梁実秋
ニワトリの足、
アヒルの水かき、
ガチョウの足、
みんな食べられる。
「呂氏春秋」に「斉王がニワトリの足を好んで食べた」と記載されている。ニワトリの足と言っても実際は皮を食べるようなものだが、好きな人もいる。広東のレストランでは「鳳爪」という美しい名で呼ばれ、煮たスープは美味だ。冬シイタケと「鳳爪」を煮込んだスープ
を飲み干した後ニワトリの足を取り出して口をつけて吸い、骨だけ吐き出すのである。
広東のレストランのガチョウの足の醤油煮込みは、大きな料理だ。ガチョウは体が大きく、
足も肥えていて
じっくり煮込めば相当な大きさに膨張する。食べてみると、ただの皮だけではないように感じる。
アヒルの水かきは冷たくして食べる。酒のつまみにいい。作るのは手間がかかる。水かきについている骨を一本ずつ除去してから煮込むのだが、じっくり煮えた後も再度除去するのは、容易なことではない。徹底的に取り除き、わずかでも残ってはならない。
山東のレストランの作るものが一流だが、出来不出来がある。アヒルの水かきの下に通常はキクラゲとキュウリを敷き、ごま油、醤油、酢を混ぜたものをかけ、からしの粉を小さな皿に入れてつける。日本の寿司やで使うようなわさびでもなく、アメリカで使うような酸っぱいものでもない。我々中国の正統で、鼻を刺すようなあのからしの粉だ。