多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

2021年3月のブログ記事

  • 北平の朝食、唐魯孫

     朝食というと、台湾生まれの人も内地から台湾に来た若い人も、異口同音に「北平の朝食は、焼餅 、と油条 と豆乳 ですね」と言う。  実際は北平の朝食は種類が多い。粥店で以前は甘みそ粥 を売っていた。うるち米の粥 より値段が高かった。北平の人は質素倹約を重んじていたので、1930年代以降は「甘みそ粥」... 続きをみる

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  • 面点師の小麦粉芸術

    この分野では中国の第一人者王志強さんの作品です。すべて小麦粉から作ったものです。

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  • 面点師の小麦粉芸術(美食中国)

    中国の「面点師」と呼ばれる料理人は、小麦粉を用いて様々な美しい作品を作っています。 これらは皆小麦粉で作ったものです。信じられません。この字幕は「寧夏全体の産物は思うままに作れる」という意味です。 喜びごとが家にやってくるように、という意味を込めています。(字幕) これは、銀川の高級面点師馬静さん... 続きをみる

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  • 獅子頭、梁実秋

     獅子頭は揚州の名物料理だ。形状とサイズから、その名がついたのだろう。北方のレストランでは四喜丸子と呼ぶ。一つの皿に四個置くからだ。北方の作り方は揚州に遠く及ばない。  私の同級生の王化成さんは、揚州の人だ。幼い頃に親を亡くし、叔母に育てられた。その叔母さんは料理が上手だったので、化成さんも自然に... 続きをみる

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  • 焼アヒル、梁実秋

     北平ダックは内外で有名だが、北平では焼アヒルと呼んでいる。  「北平風俗雑咏」の中で、厳辰がその美味しさを詩に詠んでいる。  厳辰は浙江の人だが、北平の焼アヒルに傾倒していたようだ。  北平は雨が少ないので、アヒルの飼育には適していない。だが、近くにある通州は、大運河の関係で水路や池が多く、アヒ... 続きをみる

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  • あぶり羊肉、梁実秋

     北平は中秋をすぎると、カニが肥え、あぶり羊肉が市場に出回る。羊も肥えて、臭みが少なくなり、北平の人の主な食用肉の一つとなる。なぜかはわからないが、牛肉を全く食べない人が多い。私の家もそうだ。…  北平のあぶり羊肉は前門肉市場の正陽楼 が一番有名だ。調理が細やかで、肩コブロ ースであろうと外もも肉... 続きをみる

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  • 泡菜壷、唐魯孫

     古人は「美食は美器にしかず」と言っている。いわゆる美器とは必ずしもきれいな形のものではなく、調理に適合したもののことだ。真の四川泡菜を味わおうと思えば、泡菜壷が必要で、それがあってこそスタンダードな四川泡菜が食べられる。  私は北方に居住しているが、父も祖父も雲南や貴州、四川で役人をしていた。西... 続きをみる

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  • 野菜の塩漬けと文化、汪曾祺

     たまたま高暁声さんと「文化小説」について話していたとき、高さんが「文化とは何か?ものを食べるのも文化です」と言った。私は彼の考えに賛成した。この二日間自分の家で花ニラを漬けており、野菜の塩漬けと文化について考えた。  野菜の塩漬けは中国文化の一種と言っていい。西洋にはないようだ。ピクルスなら食べ... 続きをみる

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  • シラウオ、唐魯孫

    欧米でシラウオが取れるとはあまり聞かない。が、中国の湖北や河北、安徽や東北では取れる。大きさは違うし、味も違うが。古人は武昌の魚を称賛している。湖北の魚は量も多く、種類も豊富だ。かつて李秀山の息子が湖北の方躍亭の家に婿に行った。方家の人は菜食だったが、李さんの息子はバスケットボールを愛好し、肉を好... 続きをみる

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  • 煮込み三袋と焼き黄香管、唐魯孫

     ……河南には都が置かれたこともあり、美味しい料理も多い。  河南開封の登瀛楼というレストランに、「煮込み三袋」と「焼き黄香管」という名物料理があった。「煮込み三袋」の三袋と は、豚の胃袋、羊の胃袋、牛の胃袋のことだ。まずそれらをかん水を用いて小麦粉と一緒に揉み込み、その後清水できれいに洗う。そし... 続きをみる

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  • 江南の春筍フルコース、腾讯

     「筍は竹胎なり」。中国人が筍を食べてきた歴史はとても長く、詩経の時代にまで遡る。数千年の長さだ。  春の雷が鳴るたびに、春筍は成長する。 1.春筍の油煮込み 鮮やかな色彩で、口に入れると爽やかで柔らかく、塩味の中に甘みがある。ひとつ食べるとまた食べたくなる。 2.塩漬け肉と筍のスープ 塩辛い味で... 続きをみる

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  • 銅鍋蛋、唐魯孫

     中国の料理でもっとも大切なのが「火加減」だ。料理によって大きな差があり、一日か二日煮込んで味をつけるものもあれば、むきエビ炒め のように短時間で勝負が決まるものもある。  河南料理レストランに「銅鍋蛋」という料理がある。 鶏卵を五個か六個割って大きな碗に入れ、竹箸を使って猛スピードで百回か二百回... 続きをみる

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  • 広東「榕記」のヘビ料理、知乎

    「民は食をもって天となし、肉は蛇をもって鮮となす」。ヘビは全身が宝だ。 肉は筋骨を強くし、肝は熱を清めて痰を溶かし、皮は湿を取って毒を解く。美容にもいい。 1.姜油蛇 連州のショウガをピーナッツ油でじっくり煮込み、そこにヘビ肉を入れる。肉は柔らかくなり、湿を取って胃を温め、寒を散らして咳を止める。... 続きをみる

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  • ハスとレンコンのフルコース、舌で味わう中国

     江蘇省の宝応県は「ハスとレンコンの郷」と呼ばれており、レンコンを多く産する。レンコンのフルコースが有名だ。 1.米と肉のハスの花蒸し じっくり炒った米と味をつけた豚肉を新鮮なハスの葉で包んで蒸す。清らかな味だ。 2.もち米のレンコン詰め もち米とレンコンを用いる。もち米はタンパク質とビタミンが豊... 続きをみる

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  • 茶の思い出、唐魯孫

    ……日本の茶道は厳粛過ぎて、「逸」の気持ちを失っているようだ。中国の広東や福建の功夫茶 は、いいことはいいが、とても煩わしいので私はあまり好きではない。今まで飲んだ茶で、美味しかったものについて記す。  四川出身の蔵書家傅さんの家で、古書を譲ったお礼にプーアル茶 をご馳走になった。 宜興の急須 に... 続きをみる

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  • 蒋露露さんの小麦粉芸術

    昨日掲載した蒋露露さんの様々な作品をご紹介します。小麦粉で作ったものです。 https://m.weibo.cn/u/2706613581 で「頭露」という名で、様々な作品や動画が見られます。中国語ですが。

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  • 蒋露露の小麦粉芸術、舌で味わう中国

    小麦粉で作った花  十年前、料理にあこがれていたので、蒋露露は温州華僑職業中等専業学校調理管理クラスに入り、調理を学び始めた。大学に入学してからは、蒋露露は小麦粉を使う菓子の道をどんどん歩み、頭角を現し始めた。2012年6月、蒋露露は全国大学職業技能コンテストに参加し、小麦粉で作った菓子の部門で一... 続きをみる

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  • 熊の掌の食べ方、唐魯孫

     十月二十日顔元叔教授が、また十月二十三日に夏元瑜さんが熊の掌に関する文を発表された。私は昔から食べることが好きなので、往事を振り返り、熊の掌について述べてみたい。  かつて熱河の高官だった爽良という人が言っていたが、興安嶺にも長白山にもツキノワグマが生息し熊の掌が手に入るが、食べるなら長白山の熊... 続きをみる

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  • 上海で食べる、唐魯孫

     飲食について言えば、北平には代々の皇帝がいたので、当然様々な料理が集まった。よく「食は広州にあり」と言われる。確かに広州の料理は精緻で細やかだが、広がりに欠ける。上海は、通商用の港が開かれてから各地の商人が集まるようになった。中国人と西洋人が入り混じって居住し、巨大企業もある。金がいっぱいあるの... 続きをみる

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  • 北平のユニークな食べ物(ニ)、唐魯孫

     北平で羊頭肉やロバ肉を売っている店はカウンターにペンキを塗っていないので「白カウンター」と呼ばれている。ロバ肉は冬の夜に街に売りに来るが、 酒のつまみとして絶妙だ。ことに焼酎にぴったりだ。ロバ肉を売っている店はロバの腎臓も売っている。 また、銭児肉(ロバの足の肉を干したもの) がほしいと言えば、... 続きをみる

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  • 北平のユニークな食べ物、唐魯孫

     塩辛い軽食類は甘いものより種類が多い。台湾では見ないものを記す。。  灌腸。 北平の灌腸は豚の腸に片栗粉を流し込んだものだ。薄切りにしたものを平底鍋で焼く。それを刻みニンニクの入った塩水につけ、竹串を刺して食べる。街角でも売っているが、縁日に売りに来ることも多い。 天秤棒の片方に調味料や材料を乗... 続きをみる

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  • 忘れ難き朝食、唐魯孫

     以前北平では大金持ちを除いて、一般の人が家で朝食をとるのは稀だった。当時はジョギングやフォークダンス、太極拳のような身体を鍛える活動はなかったが、早朝はよく散歩をしていた。お腹がすくと、街角の屋台で朝食をとる。様々な味のものがあったが、私が一番好きだったのは八面槽一帯で売っていた豆腐脳(豆乳を煮... 続きをみる

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