多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

北平のユニークな食べ物(ニ)、唐魯孫

 北平で羊頭肉やロバ肉を売っている店はカウンターにペンキを塗っていないので「白カウンター」と呼ばれている。ロバ肉は冬の夜に街に売りに来るが、

酒のつまみとして絶妙だ。ことに焼酎にぴったりだ。ロバ肉を売っている店はロバの腎臓も売っている。

また、銭児肉(ロバの足の肉を干したもの)

がほしいと言えば、カウンターの下から取り出して切ってくれる。切る時は必ず斜めに切る。北平では「焼酎と銭児肉は食べれば食べるほど欲しくなる」と言われており、ファンが多い。

 北平の肝炒めで最も有名なのは「会仙居」だ。

毎日早朝に肝炒めを売りに出し、売り切れたら次の日の朝まで待たねばならない。

肝炒めと言うが、実際は豚の小腸と肝臓にニンニクを加えて煮込んだものだ。

 ごまペースト面茶

は、朝に焼餅と一緒に飲む。

高粱をじっくり煮込んでのり状にしたものにごまペーストを乗せ、最後にサンショウ塩をふりかける。ごまペーストに保温作用があるので、碗の底まで飲んでも暖かくて美味しい。

 羊の胃を熱湯で湯がいたものを北平で売っているのは、イスラム教の人だ。

露店で売っているが、椅子もテーブルもとても清潔で、アラビア文字で何か書いてある。その場で湯がいてくれるが、時間がポイントだ。長く湯がきすぎても短すぎても美味しくならない。

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