多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

六穀粥、周作人


 柳絮さんがトウモロコシは六穀の一つであり、第六の穀物だと言っていたのは、だいたい正しい。

中国では昔から五穀を重んじるが、何が五穀かは、以前から議論があった。今だったら、たぶんモチキビ、キビ、

イネ、

アワ、

コウリャン、

ムギになるだろう。これらの中で常食するのはイネとムギだけで、アワ、キビ、コウリャンの三種は五穀に入ってはいるがかなり軽んじられている。それゆえ六番目が差別されるのも当然だろう。しかし、それは全くのところ不公平だ。封建時代は大部分の人が貧しくてコメとムギが食べられず、雑穀を食用にしていたのでその地位が下がったのだが、本来は素晴らしいもので、コメやムギと大差はない。

 トウモロコシについてだが、子供の頃住んでいた杭州で、台州のおばあさんが六穀粥をよく食べているのを見た。

私も食べさせてもらったことがあるが、中にヤマイモが入っていてとても美味しく、今もって忘れられない。不思議なことに、おじいさんたちは窝窝头(ウオウオトウ:トウモロコシ粉などを蒸して作る黄色い食品)


を軽く見るが、北海の彷膳社の


窝窝头はとても美味しく、酒席の終わりに出てくるトウモロコシ粥も、みんな称賛する。

 「雑穀の粉」というと、ざらざらしているイメージがあるが、トウモロコシの粉

ダイズの粉

を適切に混ぜ合わせたものを、蒸して窝窝头にすればとても美味しい。

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