多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

サチマ、周作人

  冬になると、北京の市場にサチマ

芙蓉餻が出まわる。

「燕京歳時記」によれば、サチマは満州の菓子で、氷砂糖とクリームを小麦粉に混ぜて作り、もち米のような形で、あぶって方形に切り分ける。甘い味だ。芙蓉餻もサチマと同じようなものだが、表面を赤い色で飾っているので、芙蓉のようにあでやかだ。現在は、南方にもある。……私は、北京の新年に用いる蜜供

と関係があると思っている。 「燕京歳時記」には、サチマは「もち米のような形」と書いてあるが、これは要領を得ない。サチマは小麦粉で作った細い麺に糖蜜を塗って重ねたもので、蜜供に近い。

  蜜供は、三センチか六センチの細い小麦粉麺を蜜で煎り、仏塔のような形に重ねたものだ。中空だが精巧で、様々な高さのものがあり、年末に先祖や神様を祭るときに供える。南の方では見られない。……
   現在、北京には蜜麻花

という菓子がある。小麦粉をこねたものを油で揚げ、蜜を塗ったものだが、手で持って食べる。サチマや蜜供の類の中ではもっとも古くからあるのではないか。

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