多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

ユウガオのスープ、周作人

  夏にユウガオのスープ、爽やかで美味しい。
。私たちの故郷では、長い形の瓜

をユウガオと呼び、蒲子という俗名もあった。「トウガンを噛まないのなら蒲子を噛む」という言葉もあり、円筒形で果肉も食べられ、北方では硬くなるとのこぎりで皮を切り取ってひしゃくにしたが、私たちの故郷ではそれは見たことがない。

   あとヒョウタンもあった。鉄拐李仙人がいつも背負っているもので、活蘆蒲とも呼び、柔らかいものは食べられた。仙人の持ち物だからか、蒲子より少し美味しく感じた。

   私が食べたヒョウタンは、スープにしたものだけだ。

他の食べ方もあるそうだが、ヒョウタンとユウガオのスープはともに簡単に作れた。皮をむいて薄切りにし、干しタケノコなどと一緒に煮て、醤油を加えれば出来上がり。ユウガオは醤油で煮込んでもいいが、すがすがしさが減少してしまう。毎年夏至になると、ユウガオの千切りを煮て、小麦粉や白砂糖と混ぜ、油で煎ったものを食べた。掌ぐらいの大きさで、先祖に供える品の一つだった。中元のときに食べるカボチャ餅

と同様、子供の頃は好きだったが、ユウガオ本来の味は感じられず、「油で揚げた甘いもの」に過ぎなかった。

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