多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

随園食単、うまくいかなかったときについてしっておかなければならないこと、袁枚

調理がうまくいかなかったときにどうカバーすればいいか?

  名コックが作るとろみスープは、塩加減も粘り具合も適切で、カバーする必要などない。やむを得ない事情で、下手なコックが味付けをする場合はどうすればいいか?薄味になるのはまだしも、塩辛くなってはいけない。味が薄いのは塩を加えればカバーできるが、塩辛いのを薄めるのは無理だからだ。頭のいい人だったら「湯を加えてまず薄める」と言うかもしれない。が、それをやると食べ物本来の味が損なわれてしまう。魚類を調理する場合は、多少柔らかくなるのはまだしも、硬くなってはいけない。柔らかいのは加熱してカバーできるが、硬くなってしまったものを柔らかくすることは無理だからだ。
  調理の過程で色や火具合を子細に観察し、調味料を使用する頃合いをしっかりと把握することが極めて大切だ。

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