多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

カニを食べる(一)、周作人

 今はカニの季節ではないが、この文は勤孟さんの文を見て、書いた。私はカニのマニアではないが、食べはする。特に変わった食べ方はしない。水煮したものの殻を剥き姜酢につける。自分で殻を剥かないとあまり面白くない。

 

 私は面拖蟹(カニの体を真ん中で切り、上半分を小麦粉で調理し下半分を油で揚げる)という食べ方には反対だ。

子供の頃芝居を見ていて、舞台の下で油で揚げた面拖蟹を買って食べたことはあるが。

私が面拖蟹に反対しているのは食べ方がつまらないからで、カニの体を真ん中で斬るのが残酷だからではない。カニやエビは殺すのが難しく、丸ごと蒸したり煮たりするしかないのだが、これもまた非道な「刑」だが、改める術はない。臣下を腰で真っ二つにし、その血で字を書いたという故事が中国古代にあるが、封建時代の君主の残虐さを示している。

 「腰斬り」はカニを殺す唯一の方法だ。丸ごと煮ても、カニは足を立てて生きているので、不便だ。それゆえ、世の人はカニは悪人の生まれ変わりなのでそういう報いを受けていると解釈している。カニは「大逆」の罪を犯したという人もいる。子カニが母カニを食べると言うのだ。この話は当然信用できない。私たちがカニを食べるときは、槌で叩いて殻を割るのだが、子カニのハサミに大人のカニの殻を割って肉を食べるような力があるだろうか?

 カニの食べ方は少ないが、面拖蟹はやめた方がいいというのが私個人の意見だ。

×

非ログインユーザーとして返信する