多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

野菜の根、周作人

 「野菜の根を噛むような苦労に耐えれば、どんなことでもできる」と古人は行った。これは有名な話で、筋も通っており、何の問題もない。私がここで言いたいのは、この「野菜の根」とは何かということだ。私の故郷にはハクサイとカラシナはあるが、アブラナはない。これらは煮れば食べられるし、発酵させると一層美味しさが増す。が、一週間くらいしか保存できず、常に「噛む野菜の根」としては不適切だ。色々考えてみると、古人の言う「野菜の根」はダイコンやカブラのことだろう。ダイコンもカブラも食用になる。特に漬けたものは長期間悪くならず、

様々な料理にも使える。ダイコンの塩漬け

は、何度食べても飽きることがない。私の歯がよかった頃のことではあるが。南京の干しダイコンも好きで、学校に通っていた頃五年か六年食べ続けたのだが、嫌いにならなかった。その後、福建でタクアン

を食べたが、とても美味しかった。惜しいことに、遠く離れた華南地区のものなのであまり手に入らなかった。

 カブラは、南方の物産を売っている店では醤に漬けた黒いものが売っているが、北方には塩で漬けた白いものも売っている。水疙瘩と呼ばれ、黒いものは醤疙瘩と呼ばれている。

私個人の経験では、白いものの方が美味しい。だいたい塩で漬けたものの方が醤で漬けたものより美味しいのである。これに醤で漬けたショウガと酢で漬けたニンニクを組み合わせれば、「野菜の根」は実に味わい深いものとなり、みんな喜んで食べるだろう。

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