多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

北京の伝統家庭料理、続き

セリホンの炒め物

 セリホンかカラシナの漬物にダイズもやしを加えて、羊肉ミートソースで炒めた料理は、とてもご飯が進む。


「雷震カラシナ」の煮込み

 北京の伝統ある家庭では、春に必ずみそを作り、秋に必ず漬物を作る。金銭節約のためではなく、おいしいものが食べたいからだ。カラシナやセリホンを漬け、白菜を漬けることもある。そうすれば、その年の冬と春の漬物には困らない。大雪の後の晴れた日、日光が部屋に射し込んでいる時、醋に浸したカラシナとトウガラシで熱い粥ををすすり、体を温め満腹する。王様でもなかなか味わえない快楽だ。

 「雷震カラシナ」:葉のついたカラシナを甕に入れ、七日後に取り出して陰干しにする。それにサンショウ、八角ウイキョウ、ニッケイ、チョウジのつぼみ、ウイキョウを加え、壺に入れて密封する。次の年、雷が鳴った頃に壺から取り出し、豚肉を加えてとろ火で煮込む。高級家庭料理と言っていい。水カラシを千切りにしてサンショウ、油、酢を加えたものを「春菜絲」と呼ぶが、格別の味わいだ。初春の頃水カラシを千切りにしてダイズもやしと肉を加えて炒める。食べるときに生ネギのみじん切りを加えると、とてもご飯が進む。外で買ったものより家で作ったものの方がおいしいと、筆者は感じている。現在の家庭ではどうだろうか?


緑豆のおからを炒めたもの

 北京の特産物であることは、誰も否定できない。炒めるときに羊肉の油を使うので、羊肉料理の店でよく出す。実際は、家庭でじっくり作ったものの方がおいしい。

 緑豆のおからに醤油とニラ、ダイズもやしを加えてごま油と羊の油で炒める。羊肉をサイコロ状に切って炒めたものやトウガラシの油を加えると美味が増す。しかし、火具合や調味料の加減がとても難しい。コックですらうまくいかないことがある。ナスやトウガン、カボチャ、豆腐を加えるなど、いろいろなやり方がある。ニラと言っても十幾つの調理法があるので、すべてを述べることは無理だ。

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