多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、体にいい飲み物やスープ

白湯

 朝起きた時、まず白湯を一杯飲むのはとてもいい。夜寝ている間に「火」の気が人体の上部にたまり、横隔膜が固まってしまう。白湯を飲んで横隔膜を広げると、気分が爽やかになる。塩や砂糖を少し入れておくのもいい。薬を飲む時も、まず白湯を一口か二口飲んでおくといい。

福建ミカンのスープ

 福建ミカンを固めた菓子を細かく切り、湯で煎じて飲む。(訳者注:福建ミカンにはブドウ糖と多種類のビタミンが含まれており、ことにビタミンCの含有量が多い。皮や種にも薬効がある)

オリーブのスープ

 オリーブを数切れ木槌で叩いてつぶし、小さな壺に入れた後湯を注いで蓋をする。しばらくたってから飲む。包丁を使うと黒い錆が出て生臭くなるので、必ず木槌を使うこと。

杏仁のスープ

 杏仁を湯で煮てから皮をむいて先端部分を取り除き、一晩浸しておく。湯を捨てたあと、少量のショウガ汁と白砂糖、もしくはクリームや蜂蜜を加える

梅花のスープ

 旧暦十二月に咲いた梅の花を、へたと一緒に早朝摘み、磁器の瓶に入れておく。それぞれの花に炒った塩を少しずつ振りかけておくのだが、手で直接触ってはならない。梅の花が変質してしまうからだ。オオバヤダケ及び厚紙を用いて密封しておく。夏になったら開封する。まず茶碗に蜂蜜を少量入れ、梅の花を三つか四つ入れて、熱湯を注ぐ。湯の中で花が徐々に開いていく姿はとても美しい。茶の代わりに飲むととても美味しく、香りもいい。

須問のスープ

 蘇軾の歌にある。「干したショウガの粉十五グラム、種を取った乾燥ナツメ五百グラム、炒った塩百グラム、カンゾウ五十グラム、チョウジとモッコウそれぞれ二十五グラム、干したミカンの皮少し。これらを一緒に煎じて飲むと、年をとっても顔はつやつやだ」

鳳髄のスープ(肺を潤し咳を治す)

 湯に浸して外皮をむいた松とくるみのさねをそれぞれ五十グラム、蜜を五百グラム用意する。まず前二者をすりつぶし、そこに蜜を注いで均等にかき混ぜ、熱湯で淹れて飲む。

ハスの実のスープ(心気を通じ、精髄を益す)

 干したハスの実を黒い殻と一緒にとことん炒り、搗いて粉にする。上質のカンゾウ五十グラムを弱火でサッと炒り、ひいて粉にする。塩を少し混ぜて、熱湯で煎じて飲む。(訳者注:ハスの実には心を清らかにして目を良くし、下痢を止める効果があると言われている)

乳酪

 牛乳もしくは羊乳に水と小麦粉を少し混ぜて濾過し、鍋に入れてとろ火でじっくり煮詰める。煮詰め終わると白砂糖を少し入れ、火を強くして、木のしゃもじでかき混ぜる。それから再度濾過して、茶碗に入れる。白砂糖にハッカの粉末を加えておくと美味しさが増す。

ミルクティー

 夏に摘んだ茶葉を煮詰めて濃い煮汁を取る。その煮汁が赤くなったら頃合いだ。その後バターと雑物を濾過したひきごまを加える。塩か砂糖を入れてもいい。

杏酪

 北京の杏仁を湯に浸し、炉の灰をひとつまみ入れて、水を加える。熱が冷めたら、杏仁の皮をむいて清水できれいに洗う。その後適量の清水を加え、混ぜ合わせて粉末にする。それを絹の袋に入れて濾過し、汁を絞り取る。その汁を鍋に入れて、煮る。砂糖を少し加えて熱いうちに飲む。牛乳を少し入れてもいい。

麻腐

 ごまを淡い香りが出るくらいに炒る。それを粉末にして水を加え、絹で濾過して殻を取り除く。その汁を煮て、白砂糖を加える。熱いうちに飲むのが一番いい。

酒について

 小豆を1リットル、しっかり炒った後、袋に入れる。それを酒甕の中に入れておくと、酒の味がしっかりしたものになる。

 北方の酒:滄州、易州、潞州の酒が上等だ。

 南方の酒:江北地区だったら、江蘇高郵の五加皮酒とカリン酒がいい。江南地区だったら、鎮江の百花酒はいいが、蘇州の状元紅はだめだ。家庭の作業場で醸造する三白酒はとてもおいしい。寝かせる期間が長ければ長いほどいい。南潯の竹葉青はいい酒と言える。

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