多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、粥の章

粥を煮る

 粥を煮る時は、井戸水を使うといい味が出る。河川の水だと味が薄くなる。しかし、河川の水でも、数夜寝かせておいてから粥を煮れば、いい味の粥ができる。暴雨の直後の井戸水で粥を煮たら、薄い味になってしまう。

神仙の粥(風邪を治す)

 もち米百グラム、ショウガ五切れ、河川の水二碗を土鍋に入れて、煮る。二回沸騰させた後、ひげ付きの白ネギ七切れを入れ、米がどろどろになるまで煮込む。その後酢を半カップ入れ、熱いうちに食べる。スープだけでも風邪を治す効果がある。もち米は胃を健やかにして気を補い、白ネギは発汗を促して寒を散らし、酢は毒を消す。この三つの作用で、治療効果はとてもいい。

アカゴマの粥

 アカゴマの殻を取り除いて蒸す。その後炒るとより香ばしくなる。それをひいて粉にする。その粉二百グラムに米を三百グラムの割合で混ぜ、煮て粥にする。黒みがかったものを使うと、より効果がある。髪が艶やかになって目が良くなり、腎臓にいい。まさに神仙の美食だ。(訳者注:アカゴマは繊維と脂肪を含み、肺や腸にもいい)

ハトムギの粥

 ハトムギは臼でひいてもふすまが残り、食べ過ぎると気を損なう。そこで水と混ぜ合わせてひいた後、布を用いて雑物を濾過し、オニバスの実とヤマイモを混ぜて再度ひくのがいい。その後うるち米と半々の割合で混ぜて、煮て粥にする。(ハトムギの実は真珠のような色で、タンパク質を豊富に含み、脾と肺によく、熱を鎮め髪をつややかに保つ効果がある)

ヤマイモの粥(腎の気を補う)

 ヤマイモをひいて粉にする。粉四米六の割合で混ぜて、煮て粥にする。

オニバスの実の粥(精気を益して知力を広め、目と耳を聡くする)

 まず殻を取り除く。新しい実はひいてペースト状にし、古い実はひいて粉にする。米と半々の割合で混ぜて、煮て粥にする。

羊肉の粥(痩せ過ぎを治し、陽の気を増す)

 じっくりと蒸した羊肉四百グラムを細かく切る。その後ニンジンと白ブクリョウを5グラムずつ、オウギを3グラム、それぞれひいて粉にしたものを混ぜる。種を取り除いたナツメ二粒を細かく切って入れ、さらにうるち米三百グラム、塩一グラムを加え、煮て粥にする。

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