多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

レンコンとハスの花、周作人

 山西から帰ってきた友人が、山西は水は少ないがレンコンは多く、レンコンを蓮菜と呼んでいると言っていた。植物の根の呼び名としてはふさわしいようにも見えるが、レンコンを野菜として扱っている。

 実は、私はレンコンは九割がた果物として食べるべきだと思っている。一、田舎で生のレンコンを切って食べる。二、北京でヒシと一緒に氷で冷やして食べる。

三、薄切りを甘酢で和える。

四、レンコン粥

や砂糖漬けを作る。

 四番目は軽食に近いが、常に甘い味で、レンコン本来の良さを引き出している。

 レンコンの絞り汁から作った粉としては西湖のレンコン粉が非常に有名だが、

甘くして食べるのがいいという不文律がある。

 考えてみれば、レンコンの本性はシログワイに近く、サトウキビと一緒に煮てもいいし、ケーキを作ってもいいし、粉を取ってもいいし、薄切りを四宝炒めのような料理

に入れてもいい。

 が、果物であるという本来の性質を変える術はない。

 ハスの実は簡単に煮て食べるのが一番よく、その次がちまきに使うか臘八粥に入れるかだ。ハスの葉は粉蒸肉

に使うし、花びらは酒に香りをつけるのに使う。円明園の左側の海甸鎮で蓮花白酒を作っている。


本来はハスの香りがするのだが、今年のものは甘いが薬のにおいしかしない。

 ハスの花とモクセイの花は植物のなかの怪物だ。同様にいい香りがするが、一方は大きな花、もう一方は小さな花だ。惜しいことに、中国ではモクセイの花は科挙に合格した人が独占し、ハスの花は宋時代以降湖南の周家の所有になっている。宋時代の「愛蓮説」に書いてあるのは、すべて虚言で道家の比喩だ。

(1950.8)

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