多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

オオクログワイ、周作人


 オオクログワイは、英国ではwater chestnutsと呼ばれている。当然生で食べるのが一番いい。若くて柔らかい実の皮は赤みがかった黒色で、漆器の色にもその名が使われている。

食べてみるととても美味しい。甘くはないが、質朴で新鮮な味だ。田舎では煮て食べることもある。竹の葉やサトウキビの節と一緒に煮て、子供に食べさせると、ほてりを鎮めることができる。

そのスープは甘美で、いい味だ。オオクログワイの実は、煮ると皮が剥きやすくなる。

 オオクログワイで軽食を作るときは煮るのだが、煮てしまった実そのものは味がなくなってしまう。薄切りにして甘酢で漬けたものも、大した味ではない。

(1951.3)

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