多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

サトウキビについて、周作人


 サトウキビについては、笑い話が一つある。外国人はサトウキビが食べられない、つまりわからないということだ。聞くところによると、約二十年前、アメリカの男女の学生の団体が北京にやってきて、燕京大学を見学した際、学生会がパーティーに招待し、茶菓子に北方では手に入れるのが難しいサトウキビを皿に入れて出した。きれいな白色の丸っこいサトウキビはアメリカの学生の注意をひき、ある女子学生が手に取って口に入れ、一口噛んだ。咀嚼した後、口の中に残ったカスをどうしたらよいのか、彼女はわからなかった。吐き出すのは恥ずかしいし、飲み込むこともできず、彼女は白目を剥いていた。招待側の女性がそれに気づいて、こっそりと彼女にアドバイスした。その後小さなハンカチにカスを吐いて事なきを得たようだ。

 普通の果物屋には必ずかんなが置いてあり、まずかんなでサトウキビの皮を剥いてから、まぐさ切りで三センチくらいに切って、食べる。が、聞くところによると晋時代の顧長康はサトウキビを端から食べ、徐々に美味を味わっていったそうだ。古代の人は一本を丸ごと食べていたのかもしれないが、彼個人の変わった食べ方だったのかもしれない。サトウキビは生で食べるのがいい。煮ると砂糖のような味になる。太いものを絞ってジュースを作ることもあるが、

砂糖水に似た味だ。それゆえサトウキビを食べるのなら、自分で噛むという古いやり方しかないのだろう。

(1951.3)

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