多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

果実の調理法(食憲鴻秘)


干しサクランボ

  熟したサクランボの種を取り除き、磁器の壺の中に白砂糖と交互に重ね、ぎゅっと圧力を加える。半日後、汁を取り出し土鍋に入れてぐつぐつ沸騰させた後、再び磁器の壺に注ぎこむ。一日経ったら、サクランボを取り出し、油紙を敷いた鉄の篩の上に均等に並べ、炭火でゆっくりあぶる。色が赤くなったら取り出し、大きなものは一串に二つ、小さなものは一串に三つか四つ突き刺して、天日干しにする。


マルブシュカンのぺースト
 乾燥させたマルブシュカンに切れ目を四筋入れ、豆製食品を洗った水に一日一夜浸して、その後清水に入れてじっくり煮る。さねを取り除き、白砂糖と混ぜ合わせた後、何度か蒸す。その後、ついてペースト状にする。マルブシュカンは香りがさわやかで、胃腸の蠕動と消化液の分泌を促し、咳や痰に効く。ただ、妊婦は気を付けたほうがいい。


青脆梅
 小満節(5月21日ごろ)の前に採取した青梅の種を取り去る。この際手で触れてはならない。これがポイントだ。ミョウバン入りの水に一夜浸し、取り出したものを天日干しにするやり方もある。瓶の底に塩を少量置き、青梅を入れてしっかり密封する。その後青梅の水分が抜けるまで、瓶をさかさまにしておく。青梅を取り出して篩の上で陰干しにする。梅二キロに甘草の粉末二百グラムと塩五百グラムを加えてじっくり炒る。それをショウガの粉末七百グラム、陰干しにしたピーマン百五十グラム、赤トウガラシ二十五グラムとしゃもじで混ぜ合わせ、小さな木のさじで小さな瓶に入れておく。


白梅
 特別大きな青梅の実を採取して磁器の壺に入れ、塩を振りかける。手で直接梅には触れないように注意しながらその壺を持ち上げてゆする。毎日三回だ。漬け汁が行き渡った後梅を取り出して、天日干しにする。梅が乾燥したらごはん用の鍋に入れて蒸し、その後再び天日干しにする。この方法で加工した梅を「白梅」と呼ぶ。蒸した後槌で種を砕き、新鮮な紫蘇の葉でくるみ、再度蒸して天日干しにした後瓶に詰めるやり方もある。白砂糖と梅を交互に重ね、一番上に紫蘇の葉を置いて白砂糖を詰め、密封する。瓶ごとごはん用の鍋で数回蒸すのだが、これを「蘇包梅」と呼ぶ。


黄梅
 肥えて大きな黄梅の実をじっくり蒸して、種を取り除く。五百グラムの梅肉を炒った塩十五グラム、乾燥ショウガの粉五グラム、天日干しにした紫蘇の葉125グラム、甘草とシタンの粉適量と混ぜ合わせて磁器製の容器に入れ、天日干しにした後貯蔵しておく。白砂糖を加え、スープにして飲む。夏に氷水に混ぜて飲めば、より美味だ。


烏梅(乾燥させた梅の果実)
 種を取った烏梅五百グラムを甘草二百グラム、炒った塩五十グラムとともに湯で煎じてペースト状にする。
 もう一つのやり方:白砂糖一キロ、湯でゆでて渋みを取り去った烏梅の果肉二百五十グラム、少量の桂皮の粉末、適量のショウガと甘草、これらを一緒についてつぶし、湯に入れて飲む。

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