食憲鴻秘、ナスの調理
ナスの糟漬
2.5キロの酒糟と3キロのナス、850グラムの塩と200グラムの河川水があれば、蜜の如く甘美だ、という歌がある。この方法通りにやれば保存も効き、次の年の七月七日まで食べられるとのことだ。漬けて二日後から食べられる。霜の降る時節に肥え太った若ナスのヘタを落とす。水は使わず布できれいに拭ってから磁器の容器に入れ、歌の通りに混ぜて、均等になるよう攪拌する。三日経つとナスは緑色になっているので、それを壺に入れる。元の糟の汁を壺いっぱいに注ぎ込み、半月密封しておくと食べられる。ナスの表面は緑色で中は黄色、とても美味しい。
別のやり方
中くらいの大きさの熟したナスを水に一晩浸けておく。ナス五百グラムにつき、塩を二百グラム、酒糟を五百グラム加える。
ナスの糟漬は、元や明の時代にすでに流行していた。解毒や熱さましの効果がある。
(甘口)コウモリナス
霜の降る時節に、小さくて黒い若ナスをせいろうで一時間蒸す。水分を搾り取ってからみその中に一日おく。陰干しにして水分を乾かしてから、油で揚げる。白砂糖及びサンショウの粉とナスを交互に壺に入れ、揚げるのに使った油を壺いっぱいに注ぎ込む。
香ナス
新鮮な若ナスを三角形に切り分け、熱湯で湯がいた後葛布でくるんで水分を搾り取る。それを一晩塩で漬けて、その後天日干しにする。それをショウガ、みかんの皮、紫蘇のみじん切りと均等に混ぜ合わせ、煮立った甘酢をかける。再度天日干しにして貯蔵する。