多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、貝類とエビの調理

マテガイの漬物

 マテガイ五百グラムを五十グラムの塩で一昼夜漬ける。それをきれいに洗って乾かした後、布でくるみ石で抑える。それをショウガのみじん切りとみかんの白い筋それぞれ二十五グラム、塩五グラム、適量のネギのみじん切り、サンショウ三十粒、料理用酒一杯、煮た炒り米一合を粉にしたものと均等にかき混ぜ、壺に入れる。十日後に食べられる。


ハマグリの豚肉炒め

 ハマグリを湯で煮て殻を取る。豚肉(赤身と脂身同量)をサイコロの形に切り分けて料理用酒と混ぜ、少し炒める。それにサンショウとネギ、シャジンの粉を塩と酢で混ぜ合わせたものを加え、ハマグリも入れて一緒に炒める。ハマグリを煮た時の汁をその鍋に入れ、汁が沸騰したら取り出して、食べる。

 ニラの芽とタケノコ、マコモのみじん切りを加えて炒めるとなお良い。

 ハマグリの肉はとても美味しく、昔から「天下第一」と言われている。タンパク質と微量元素、鉄とカルシウムを豊富に含み、脂肪は少ない。


河エビの漬物

 新鮮な河エビのひげとしっぽを切り落とす。河エビ五百グラムにつき塩二十五グラムで半日漬けて、その後水分を切って乾かす。そこにサンショウの粉を振りかけるとなお良い。そうして漬けた河エビ五百グラムと塩百グラムを均等に混ぜ、壺に入れ、表面に百グラムほどの塩を入れて密封する。必要になったら取り出して、良質の酒に半日浸しておくと食べられる。こうやって漬けた河エビは、長い間色つやが変わらない。しかし、酒に触れると赤い色になり変質してしまう。

別のやり方

 河エビを数日酒に浸す。酒が淡くなったら取り替える。濃い酒を使うとなお良い。食べるときには醤油を少し加えるればよい。冬に漬け始めると、長期間変質しない。が、火はタブーだ。


エビの酒漬け

 新鮮なエビをきれいに洗って壺に入れ、サンショウの粉とショウガの粉を入れてかき混ぜる。質の良い酒をとろ火で煮込み、注ぐ。食べるときに塩とみそを加える。

別のやり方

 エビを熱湯で湯がき、塩と焼酎をかける。取り出して食べる。

カエルの調理

 肥え太ったカエルの二本の足だけを食べる。サンショウと料理用酒、みそを濃く混ぜ合わせた汁にその足を

半日浸し、炭火でゆっくりあぶる。その後汁に再度浸し、再度炭火であぶる。汁が無くなったら、熟した菜種油を塗ってあぶり続ける。足がふわふわになるまでだ。終わったら壺に入れて貯蔵するが、長期間食べられる。黄色い色だが焦げてはいないくらいが、ちょうどいい。

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