多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、果実を使ったスイーツ類

サンザシのペースト:冬のサンザシをとってきてじっくり蒸し、皮と種を取ってきれいに濾過する。サンザシ五百グラムに白砂糖を二百グラムの割合で加え、つきつぶしたのちに均等にかき混ぜる。少量の紅花のペーストと青梅の漬け汁を加えると、色つやは鮮やかなままだ。冷凍してから四角形に切り分け、油紙で密封する。表面にはちみつを塗り、磁器に入れて保管すると長持ちする。 

ナシのペースト:ナシの種を取ってきれいに濾過し、つきつぶして流れ出た汁を、うすい粥のようになるまでとろ火で煮込む。五キロのナシの汁にはちみつを二キロの割合で加え、再びとろ火でうすい粥のようになるまで煮込む。その後貯蔵する。
黒い桑の実のペースト:黒い桑の実の汁に白砂糖を混ぜ、濃い粥のようになるまで日光にさらす。それに適量の梅の果肉と紫蘇の粉末を加え、つきつぶしたあと型に入れる。できたものを油紙で包んで天日干しにし、紙ごと貯蔵する。色は黒いが甘酸っぱい味で、噛めば噛むほど味が出る。雨の日はうるおいで光沢を増す。桑の実は「民間の聖なる果実」と呼ばれ、食用にも薬用にもなる。微寒の性で滋養強壮の働きがあり、血を補って渇きをいやす。めまいや耳鳴り、白髪や不眠、渇きや便秘に効く。
ダイダイのペースト:ダイダイ二百グラムをナイフで切り、水に入れてじっくり煮る。その後種を取り出してつきつぶし、白砂糖を加えて葛の布で汁をこしとる。その汁を磁器の容器に入れ、とろ火で煮込む。冷凍すればペーストができるので、切り分けて食べればいい。

×

非ログインユーザーとして返信する