多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、ダイコン及び冬筍の調理

酔ダイコン

 冬に芯を取ったダイコンを四つに切り分けて、糸を通し、天日に干して七分目まで乾かす。その後、ダイコン五百グラムに塩を百グラムの割合で使用して漬ける。それを再度天日に干して九分目まで乾かし、瓶に八分目まで詰め込み、蒸留酒を流し込む。蓋はしない。数日経つと、ダイコンは臭い気体を全て発し尽くし山吹色に変色しているが、とても甘美になっている。塩分が少ないと甘みが増すので調整すること。そこに綿のガーゼで包んだ香糟(黄酒を醸造した時に残った酒粕を半年以上密封しておいたもの)で蓋をすると、さらに美味しくなる。


糟ダイコン

 質のいいダイコンを水を使わずきれいに拭う。それぞれのダイコンを二つに切り分ける。ダイコン五百グラムに塩を百五十グラム使って漬けた後、天日干しにする。酒粕五百グラムに塩を加えて攪拌しておいたものにそのダイコンを入れ、再度攪拌して瓶に入れる。すぐに食べるのには適していない。


香ダイコン

 ダイコンをサイコロ状に切り分け、一夜塩に漬け、天日干しにする。ショウガ、みかんの皮、サンショウ、ウイキョウの粉を均等に攪拌しておく。質のいい食用酢を煮て、そこにダイコンとそれらを入れ、磁器の鉢に置く。再度ダイコンを天日干しにしてから貯蔵する。ダイコン五キロに四百グラムの塩が必要だ。


ダイコンには消化を助け胃をよくする働きがある。


冬筍の粕漬

 皮を剥かず、水も使わず、冬筍を布できれいに拭き、土汚れと柔毛を落とす。歯ブラシを用いてもいい。箸で柔らかな節に穴を開け、そこに旧暦十二月に醸造した香糟(黄酒を醸造した時の酒粕)を詰め込み、外側にも塗る。そうした冬筍を上向きに甕に入れ、口を土で密封する。夏になったら食べられる。

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