多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、ハクサイとカラシナの漬物

ハクサイの漬け方(一)

 ハクサイ五十キロを天日干しにする。水は使わない。土をふるい落とし、枯れた葉を取り除く。まず甕の底に塩を一キロ敷き詰め、ハクサイを漬けるが、その際手でハクサイをかき分けないこと。三日か四日漬けたら、塩の漬け汁でハクサイを洗う。その後、1.5キロくらいの塩を甕に敷き詰めるように入れる、最後に河川水を流し込んで密封する。旧暦十二月に漬けたものは長期間保存できる。


ハクサイの漬け方(二)

 冬のハクサイの根と枯れた葉を取り除き、きれいに洗い、吊るして陰干しにする。ハクサイ五キロにつき五百グラムの塩を用意する。カンゾウ数本をあらかじめ甕の中に入れておき、葉に塩を振りかけたハクサイをそこに入れる。少量のジラシ(サンショウの粉でもいい)をしっかりと詰め込み、カンゾウ数本を再度入れる。甕いっぱいにハクサイを詰めた後、一番上に石を置いて圧力をかける。

 3日後ハクサイを取り出して別の容器(生水があってはならない)におき、もとの漬け汁をそそぐ。ふたたび漬けて七日経ったら、もう一度同じことを繰り返す。甕に入れ、新たに汲んだ水を注ぎ込み、一番上に石を置く。こうして漬けたハクサイは美味でサクサクしている。春に食べ切れなければ、煮た後天日干しにしで貯蔵する。夏になったらぬるま湯に浸した後に水を切り、ごま油とあえて、ご飯を炊く鍋の中で蒸しながら食べると、特別においしい。


カラシナとダイコンの漬物

 カラシナをきれいに洗い、十字形に切り開く。しっかりとした小さなダイコンを二つに切り分け、水を切って天日干しにし、さらにそれを三センチ四方の薄片に切って、きれいな壺に入れる。そこにサンショウの粉とウイキョウを加えてから、塩と酒と酢を入れ、壺を挙げて数十回揺すり、密封する。その壺をかまどの上部の気温の少し高いところに置く。毎日壺を揺する必要がある。三日後に食べられる。緑と白が混じり合い、見た目もきれいだ。

 中国には「冬にダイコンを食べ夏にショウガを食べれば、一年健康だ」ということわざがある。


カラシナの醤油漬け

 質のいいカラシナの枯れ葉を取り除いて、きれいに洗って、日陰に縄で吊るす。ずっと手で揉み続けると、二日経てば柔らかくなっている。外側の葉の部分を落とし、芯の部分を五センチ四方に切り分ける。

煮込んだ油に酢と酒と少量の水を加え、カラシナをそれでさっとゆで、熱いうちに容器に置く。サンショウの粉および醤油と混ぜて、素早く壺に入れる。もとのスープも注ぎ込む。さらに水を壺の半分くらいまで入れる。密封せずに二日間置いておく。その後しっかりと封をして貯蔵する。


黄芽菜(ハクサイの一種)の酢漬け

 黄芽菜よ葉を取って天日干しにして柔らかくしておく。芯の部分を切り開き、これも天日干しにして柔らかくしておく。それらを炒った塩で一日か二日漬けた後天日干しにし、壺に詰め込む。黄芽菜の上にウイキョウとサンショウの粉を振りかけてしっかり擦り込み、壺いっぱいに酢を注ぎ込む。三十日か四十日経ったら食べられる。酢は特に濃いものでなくてもいい。各種の料理にも使える。

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