多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

食憲鴻秘、中華風ベーコンと干し肉の作り方

中華風ベーコン

 五キロの肉の塊を二十個に切り分ける。四百グラムの塩と一キロのいい酒を混ぜ合わせたものを肉に塗りつけると、綿のように柔らかくなる。大きな石で圧力を加え、水分を取り去る。残った塩と酒を再度塗り付け、竹串で刺して風通しのいい場所に吊るす。とてもおいしい。

 別の作り方:五キロの肉を用意する。一キロの塩を使った塩水を沸かし、そこに肉を入れる。二十日後に取り出して、風通しのいい場所に吊るす。

 別の作り方:夏に作る場合は、肉を少し小さめ(一つ二百グラムくらい)に切り分ける。手を使わずに塩を肉に振りかける。肉が柔らかくなったら石で圧力を加え、塩水を取り去る。その後風通しのいい場所に吊るす。

 保存法:出来上がったベーコンを菜種油を入れた壺に浸しておくと、いつでも食べられる。臭くもならず虫も湧かず、長期間元の状態を保つ。ベーコンを浸けても、菜種油は食用として使える。

 別の保存法:出来上がったベーコンの腿の部分に圧力を加えて水分を取り去り、土の穴蔵に吊るす。そこで松柏の葉や竹の葉を燃やし、その煙でいぶす。二ヶ月経って煙の匂いが消えると、ベーコンはいっそう美味しくなる。

さまざまな干し肉の作り方

 牛も羊も豚も鹿も作り方は同じだ。肉の脂身と筋膜を取り去り、赤身だけを使う。米をといだ汁に浸してきれいに洗い、しっかり拭く。肉五百グラムに二杯の美酒、美酒の三割の量の酢を用意する。さらに上質の醤油一杯にウイキョウとサンショウの粉それぞれ5グラムを混ぜ、一晩攪拌する。それらと肉を強火と弱火で交互に煮る。煮詰まったら肉を取り出し、炭火でゆっくりあぶってから、天日干しにする。こうして作った干し肉は長期間保存が効く。食べてみて味が薄いと思ったら、醤油を塗って再度あぶる。これらの干し肉は胃によく、筋骨を強くする。子供や中高年の養生食としてもいい。


牛の干し肉

 五キロの牛肉を四つの塊に切り分ける。根の部分を切り落としたネギを鍋底に敷き詰め、牛肉をそこに置く。ネギと牛肉を交互に置くと焦げ付かないし、臭みも消える。サンショウの粉百グラムと黄酒十瓶、醤油二碗と塩1キロを加え、肉より十二、三センチ高いところまで水を注ぎ土製の容器で蓋をして、弱火で煮る。煮汁が全て乾いたら出来上がり。旧暦十二月に作ったものは長期間保存できる。食用酢を少し加えてもいい。

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