多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

蒲包肉(中国のネット)

 蒲包肉は高郵の伝統ある軽食だ。高郵出身の作家汪曾祺が作品の中に書いている。「蒲包肉はこの町の特産のようだ。直径十センチの蒲を編んだもので湯葉を加えた豚のひき肉を包む。閉じてから真ん中を麻のひもで縛ってひょうたんのような形にする。じっくり煮てから包みから出すと、蒲の模様がついたひょうたんのようだ。薄く切って食べると、とても美味しい」

 蒲包肉を作るには、でんぷんと豚肉の赤身、脂身の比率がポイントだ。豚肉は前胸の部分のものが一番よく、後ろ足の部分でもいい。

 まず、豚肉をそら豆くらいの大きさに切り分ける。それにネギ、ショウガ、料理用酒、各種香料、

でんぷん、塩などを加えて攪拌し、冷蔵庫に一晩入れておく。豚肉は赤身七、脂身三の割合だ。でんぷんは適量を入れ、小麦粉、山芋粉、緑豆粉、トウモロコシ粉を使ってもいい。

 次の日に豚肉を冷蔵庫から取り出し、蒲を編んで作ったもので包んで口を縛り、真ん中を麻のひもで縛ってひょうたんの形にする。

 それを汁の入った鍋に入れて強火で煮てから、弱火で一時間煮込む。煮汁は、それぞれの家に秘伝がある。

 煮えた後蒲の包みを開くと、跡がついた肉が出てくる。

明るい色で香りが漂い、食欲をそそる。酒のつまみにとてもいい。

薄切りにすると、ピンク色で柔らかく、口に入れると、細やかでしこしこしていて、塩味と蒲の香りが釣り合っていて、とても美味しい。

×

非ログインユーザーとして返信する