多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

キグチ、金受申

 キグチは海魚の中で最も普遍的で、渤海産がことに多い。北京の家庭やレストランでは、日常のよき魚料理になっている。三月四月のまだ雷の鳴らぬとき、キグチとクルマエビが大量に市場に出回る。値段が安いときもあり、そういうときは貧乏な人が一キロほど買って、味わう。いぶしたり、

揚げたり、

どこでも見られる。が、雷の音が聞こえるようになると、魚は海底に沈み、網にかかりにくくなって、値段も上がる。
 フウセイもキグチの一種だが、肉が厚くて肥えており、少し硬い。レストランでよく使う。キグチは新鮮なものでないとだめだ。新鮮でないものはまずい。
 調理法はとても多く、甘酢を使ったり、揚げたり、炒めたり、醤油で煮込んだりで、どれもおいしい。家庭では煮込むことが多い。キグチの肉はまるでニンニクのようで、淡水魚よりサクサクとして柔らかい。春の日が長くなって、庭の花がほころび、柳の緑が鮮やかになってきたときに、家で料理したキグチを葉ニンニクと一緒に食べる。これもまた人生の楽しみだ!

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