多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

酒、周作人

 兄魯迅はあまり飲まなかったが、数杯飲むのは好きだった。ことに友人と共に飲むのは好んだ。

たとえば田舎で学校をやっていた時、范愛農さんとよく飲んでいた。その後、北京のs会館にいた時、時々有名な広和居から,揚げ肉団子

や酸辣湯


を取り寄せ、五星ビールを一瓶開けて友と楽しく飲んでいた。

が、どういうわけか、東京では飲まなかった。ぶどう酒

とビールは安かったが、清酒はあまり美味しくなかったのだろう。一回だけ、西片町に越して来てからままなく、一白舎という西洋料理店からいくつかの料理を取り寄せ、ビールを飲んだことがある。…

 魯迅は外食はあまりしなかった。時々許寿裳さんら一人か二人を連れて神楽坂の「支那料理」を食べに行くくらいだった。そこは日本人が開いた店で、名前は覚えていない。料理も不味く、「維新号」にはるかに及ばなかった。

ただ、貸切の個室はよかった。私の見る限り、「維新号」の方が素晴らしかった。その賑やかさは東安市場の五芳斎に比肩できるもので、

味も良くて値段もリーゾナブルだった。

 魯迅は北京の青雲閣でも茶を飲んだり軽食を食べたりしていた。

その後、習慣が変わったのだろう。

(1951.5)

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