多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

北京の夏の食べ物、ハスの葉の粥、金受申

北京っ子の夏の家庭料理は、すべて清涼の味わいだ。夏で一番意義深いのは「ハスの葉の粥」だ。ハスの葉の粥は、それぞれの「家庭の味」がある。一般の食堂のものは、ハスの葉にウコンを加えて煮た物に白米の粥を混ぜたもので、苦くて渋く、清らかな香りが全くない。米の粥を煮る。

 家庭でハスの葉の粥を作る場合は、まずうるち米の粥を煮る。スープに少し粘りが出てきたら、手ごろなハスの葉(若い葉は清らかな香りがないし、古い葉は苦い)を一枚、へたに近いところから折り取って、鍋の中の粥を覆うように入れる。そしてふたをしてとろ火で煮る。白砂糖が好きなら、ハスの葉で覆う前に入れれば、甘みと香りがうまくマッチする。最近の食堂のハスの葉の粥は、砂糖の入れ時がいい加減なので、とてもまずい。
 粥が冷めると、緑の汁が葉からあふれるが、スープには香りは少なく、すべては米の粒に凝縮 されている。これこそが真のハスの葉の粥だ。上述のやり方は宮廷の厨房にいた楊雨亭さんに聞いたものなので、試してみられたらどうか。

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