多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

北京の夏の鶏肉料理、金受申

鶏肉のごま油かけ

 夏の「鶏肉のごま油かけ」には他にないおいしさがある。

 まず、若い鶏の肉をじっくり煮て方形に切り分ける。湯をくぐらせたナズナをその鶏肉にかけ、ごま油と醤油を混ぜたものをナズナにかける。さわやかな味で、油っこくない。レストランでは冷たい料理として出すこともあり、家庭でも簡単に作れる。

酒酔鶏

 夏に「酒酔鶏」を食べるのはのどかだ。まず、若い鶏の肉を薄い塩水で煮る。塩水が濃すぎると爽やかさがなくなるので注意が必要だ。八分めまで煮えたら鶏肉を取り出して湯を切り、方形に切り分け、碗に並べる。そこに年代物の紹興酒を注ぐ。一番いいのは「竹葉青」という酒で、その青々とした色を見ると楽しい気分になり、煩わしい暑さを忘れられる。そこに蓋をして蒸す。少し経てば、酒が染み通り、食べられる。冷たいまま食べると、特に美味しい。

鶏肉のハスの葉包み

 夏に「肉のハスの葉包み」を食べるのは、「肉のとろ火煮込み」を食べるよりはるかにいい。清らかな風が吹いたように感じるからだ。が、「肉のハスの葉包み」にも油っこさがあるので、「鶏肉のハスの葉包み」がしつこくなくて一番いい。本来の「鶏肉のハスの葉包み」は、鶏肉と豚肉を一緒に包むのだが、今回は、鶏肉だけを使い、豚肉は除去する。まさに名前通りだ。

 若い鶏の肉をドミノ状に切り分け、醤油に浸した後、料理用の酒とネギ、ショウガ、ニンニクのみじん切りを混ぜたものに浸し、炒った米の粉(外で買ったものではなく、自分で炒ること。粒の形がはっきりし、香りも豊か)をまぶし、さらに外側をハスの葉で包んで、じっくり蒸す。熱くても冷たくても、美味しい。

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