多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

北京の蒸羊肉、金受申

 蒸羊肉に関しては、「都門紀略」に「蒸羊肉、徳勝門外馬店路の東にある」とだけ書いてある。まさにこの通りだが、あまり詳しくない。蒸羊肉を発明したのは、清時代の道光帝のときの薛三巴という人で、イスラム教徒だ。徳勝門外の馬店に住んでいた。現在も薛という姓の人が秘伝を受け継いで作っている。徳勝門関廂西に偽物の店があるが、薛家のものより味がひどく落ちる。
 蒸羊肉の製法:羊肉の上質の部分を大きな方形に切り分け、大豆と小麦粉を原料にして作った黄褐色のみそをまんべんなく塗り付け、それにカショウと五香料(サンショウ、八角ウイキョウ、ニッケイ、チョウジのつぼみ、ウイキョウ)を加え、かめに入れて密封し、三日置いておく。それを取り出して蒸す。味が肉の深いところにいきわたり、口に入れるとサクサクする。
 本物と偽物の見分け方:本物は色が鮮やかで明るく、羊の油が外部にあふれていない。本物はどの部分も塩辛さが均等だ。そんなに塩辛くはないが、かなりの期間腐らない。本物は口に入れるとサクサクし、脂身があまり硬くない。

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