多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

五香麺と八珍麺、李漁


清時代の李漁という人が、「閑情偶奇」という本の中で、「五香麺」と「八珍麺」という麺の作り方を述べています。麺そのものに工夫を凝らしています。試しに作ってみられたらどうですか。

私が作るのは「五香麺」と「八珍麺」の二種だ。五香麺は自分用で八珍麺は来客用。五香とは何か?みそ、酢、コショウの粉、ごま屑、タケノコもしくはキノコを煮た物で、エビの煮汁をスープとして使う。最初にコショウの粉とごま屑を小麦粉に練りこみ、次にみそと酢をまぜる。均等に混ざるようにしっかりこねて、薄く引き伸ばした後、細い麺に切り、湯をくぐらせる。すべての精華は麺の中にあり、じっくり味わうに値する。

 八珍とは何か?鶏、魚、エビの三種の肉を天日干しにした後、タケノコ、シイタケ、ごま、サンショウの四つと一緒に混ぜて粉末にし、小麦粉に練りこむ。それにスープを加えれば、全部で八つだ。みそと酢は使っても数に入れない。日常使うもので「珍」とは言えないからだ。鶏と魚の肉は、油のあるものはだめだ。油があると小麦粉が散ってしまい、いい麺ができない。スープは肉の煮汁は使わず、タケノコとキノコもしくはエビの煮汁を使うが、それも油がタブーだからだ。三種の肉の中では、エビの肉が一番使い勝手がいい。粉末にするのも簡単なので、多めに蓄えておけば、急ぎの時に使える。自分で五香麺を食べるときの味付けに使ってもいいのである。小麦粉を混ぜるときに、卵白を使うといい。

×

非ログインユーザーとして返信する