多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

揚州の干絲と小籠包、朱自清


茶館の中の食べ物として書いています。

…そして湯をくぐらせた干絲をボーイに持ってきてもらう。北平の干絲は、煮たものだ。味が濃く、料理としてはいいが、つまみとしてはもう一つだ。揚州の干絲は、大きな白い豆腐干(布で豆腐を包み、香料を加え蒸し上げた食品)を薄切りにし、それをまたみじん切りにして碗に入れ、熱湯を注ぐ。干絲が水分を吸って膨らむと湯を切り、ゴマだれ油をかけ、干しエビや細かく刻んだタケノコを振りかけると、できあがる。あっという間で、豆腐干を切っていると思ったら、すぐ持ってきた。あっさりとした味で、ほかの料理も食べたくなる。

次は、揚州の小籠包だ。餡が肉のものもあればカニのものもあり、タケノコを使っているものもある。が、一番おいしいのは野菜を使ったものだ。野菜の柔らかな部分を細かく切って砂糖と油を少し加え、じっくり蒸し上げる。口に入れるととろけるような味わいで、飲み込んでも余韻が残る。乾燥野菜を使ったものもいい。細かく切って砂糖と油を少し加えるのだが、乾きと湿り気が程よくつり合い、じっくり噛んでいると、オリーブを噛んでいるときのような味わいがある。

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