多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

果実の調理法(食憲鴻秘)、続き

桃:半分熟した桃をじっくり蒸して皮と種を取り、少量の塩を混ぜて天日干しにし、再度蒸してまた天日干しにする。桃が乾いたら、白砂糖と交互に瓶の中に入れ、密封する。ごはん用の鍋でとろ火で煮込めばとてもおいしい。

桃の花:旧暦三月三日に採取した桃の花を、風通しのいい日陰において乾燥させ、ひいて粉末にする。旧暦七月七日に、それを烏骨鶏の血と混ぜて顔に塗れば、肌は白く、つややかになる。

柿の漬物:秋に、半分黄色くなった柿を用意する。柿百個あたり塩三百グラムを混ぜ、一緒に甕に入れる。春に取り出して食べれば、酔い覚ましの食品となる。

桑の実:黒くなった桑の実を多く用意し、天日干しにした後ひいて粉末にし、こねて丸薬にする。毎朝六十粒服用すれば、若返りの効果がある。桑の実を似てペースト状にすれば、一層の効果がある。長期間貯蔵しても変質しない。

クコの実のペースト:多く採取した新鮮なクコの実のへたを取り去り、きれいな布袋に入れて汁を搾り取る。その汁を土鍋でゆっくり煮て、ペースト状になったら、小さな杯に一杯の蒸留酒をたらす。保存がきき、長時間置いても変質しない。クコの実はカロチンやカルシウム、鉄分を豊富に含み、目を良くし、血糖値を下げる。

クルミ:新鮮なクルミを割って中身を取り出し菜種油で炒める。それを少量のみそと白砂糖、シャジンとウイキョウ、酒と混ぜ合わせ、鍋に入れて沸騰するまで煮込む。この調理法は山間の僧や尼に伝わっているものだ。酒のつまみにいい。

リュウガン:リュウガンの殻を針でつついて三つか四つ小さな穴をあけ、水炊きした後食べれば、果肉も豊満で味も逃げない。

スモモ:赤い皮のスモモをじっくり蒸した後天日干しにし、砂糖漬けにしてからはちみつに浸す。塩漬けにしてから天日干しにしてもいい。いずれの方法も長持ちする。

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