多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

元祖タピオカミルクティー、台湾翰林茶館サイト

 黒と白が溶け合う、甘い恋のように。

 世界で最初のタピオカミルクティーは、翰林茶館で誕生した。真珠のように透き通った白いタピオカは、翰林ミルクティーの伝統精神の象徴だ。

 1987年、翰林茶館の創始者塗宗和は、市場でタピオカを売っている露店を見て、ひらめいた。ミルクティーとタピオカを一緒にすれば素晴らしい口当たりになるんじゃないか、と。その時、茶文化を震撼させたタピオカミルクティーが生まれた。

 大部分の店では黒タピオカしか使っていない今日、翰林茶館では初心を忘れず、三十年取引をしてきた台南の会社から白タピオカを仕入れている。馴染みのお客さんを大切にするのと同じように、タピオカミルクティー本来の味を大切にしているのである。

 黒と白のタピオカこそが、翰林タピオカミルクティーの誇るべき特色だ。

 黒は潤い豊かで、白はプリプリの食感。ミルクティーの素晴らしい香りがシルクのように舌先を覆い、大小のタピオカが味蕾を刺激する。口当たりと味覚の華麗なるワルツが、口の中に無限の驚きと喜びをもたらすのである。

 冷やして飲んでも、暖めて飲んでもいい。

 新鮮なミルクを使用しているので、綿密な風味の中の爽やかな香りが、とても味わい深い。

 口に入れると、ミルクの香りの中に紅茶の香りが解き放たれるのが感じられ、やがてそれらが混じり合う。

 伝統の製法で作られる白タピオカは、粒が少し小さく、舌の上で跳ねるが如く。噛めば噛むほど爽やかに香る。

 黒タピオカは滑るような口当たり。独特の甘い香りがミルクの香りの中から迸る。

 安物では、とても味わえないものだ。

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