多田敏宏:中国の食と病と文学のブログ

中国の食と病について文学の点から見てみたいです。

白居易、老いの境地

唐時代の大詩人白居易は、68歳の冬の朝中風になり左足が不自由になりました。目も耳も具合が悪くなっていたようで、老いと病の境地を詩に詠んでいます。
  老病幽独、たまたま所懐を吟ず
 目がだんだん見えなくなり、耳も徐々に遠くなってきた
 頭は白髪がいっぱいで、半身は中風だ
 心はすでに浮雲の上だが
 体は俗世という仮の宿にいる
 酒も詩歌もやめて客間を閉じ
 歌や音楽の妓女も帰したので、その部屋も空っぽ
 世俗とのかかわりはすっかり消え
 清浄な翁になってしまった

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